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『東京全力少女』武井咲は本当にこのまま低視聴率女王になってしまうのか

10月31日(水) 17:30

『東京全力少女』武井咲は本当にこのまま低視聴率女王になってしまうのか
日テレ系水曜10時から放送されている、武井咲主演の『東京全力少女』が苦戦している。初回は『相棒11』の2時間9分SPに頭を削られたこともあって、視聴率は9.0%(ビデオリサーチ社調べ・関東地区)。2話以降も8.2%、7.9%と数字を落とし、早くも平均で2ケタを達成するのは難しい状況になっている。
これまで武井咲は、『アスコーマーチ』『Wの悲劇』『息もできない夏』という作品で連ドラの主演を務めているが、視聴率の平均はすべて1ケタ。まだ一度も2ケタを達成していない。そんなことから、最近は新たな低視聴率女王とも揶揄されている。

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はたして本当に武井咲は、このまま視聴率の取れない女優になってしまうのか。
そもそも、今期の『東京全力少女』は、そんなに見るべきところのない作品なのか。今回はそこのところをちょっと検証してみよう。

■『梅ちゃん先生』の信郎(松坂桃李)にホレていた『アスコーマーチ』

武井咲の連ドラ初主演は、2011年4~6月期にテレ朝系で放送されていた『アスコーマーチ~明日香工業高校物語~』だった。平均視聴率は5.96%。確かにかなり低いが、このドラマは日曜の深夜11時から放送されていたので、視聴率が低いのはやむを得ない状況だったといえる。

実際、同じ枠で『俺の空~刑事編~』と『妄想捜査~桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』がその後に放送されたが、どちらも平均視聴率は1ケタで、現在この枠ではドラマを放送していない。

コミック原作だった『アスコーマーチ』は、志望していた女子高に入学できなかったヒロイン・直(武井咲)が、男ばかりの工業高校に通いながらモノ作りの面白さに目覚めたり、恋や友情を育んで行ったりする青春物語だった。原作とは設定がだいぶ変わっていたし、工業高校の描写もありふれていたが、直のキャラクターは武井咲が明るく演じていたと思う。

直が恋をする相手役は、のちに『梅ちゃん先生』で信郎を演じることになる松坂桃李。つまり、信郎はこの明日香工業高校でネジ作りの基本を学んでいたことなる。しかも、ここでも『梅ちゃん先生』と同様に、玉木(加賀賢人)や広瀬(石田卓也)など、他の男子生徒のほうが魅力的に描かれてしまって、相手役であるはずの松坂桃李の良さはあまり発揮されていない。そのあたりも含め、今見返すとかなり面白かったりもする。

ただのヤンキーものとは違い、工業高校そのものを舞台にしたという部分では個性があるので、未見の人は一度見てみるといいかもしれない。

■武井咲にとってはツイてなかった『Wの悲劇』と『息もできない夏』

『アスコーマーチ』から1年後の2012年4~6月期、武井咲は同じくテレ朝系で放送された『Wの悲劇』に主演するが、平均視聴率はやはり1ケタの9.09%。裏番組の『パパドル!』(平均視聴率は8.16%)には勝ったものの、有名な作品の連ドラ化で初のゴールデン主役を担った武井咲としては、残念な結果に終わってしまった。

まあ、この作品はミステリーというよりも、ネタ系のドラマという味付けが強かったので、最初からマニア向けに作られていたのかもしれない。

見どころは放映時にアップした「オスカーの勢力争いとしてみても面白い『Wの悲劇』」 [ http://ure.pia.co.jp/articles/-/5585 ] にも書いたので割愛するが、二役を演じた武井咲の演技力は、もっと評価されてもいい内容だった。


そして、次クールの7~9月期に武井咲が主演したのが、社会派のテーマを取り入れた『息もできない夏』。所属事務所のオスカーとはかなり太いパイプがあるテレ朝を離れ、フジテレビ火曜9時枠への進出だった。

離婚後300日以内に生まれた子どもは前夫の戸籍に入れなくてはいけないという、民法第772条に起因する無戸籍問題を扱ったこのドラマは、武井咲にとって勝負の作品だったと思う。

ところが、平均視聴率は9.79%。江口洋介、木村佳乃、北大路欣也、浅田美代子、要潤など、脇は固めていたものの、またもや結果は残せなかった。

ただ、これも武井咲に責任を追わせるのは可哀想な作品だったと思う。放送前は社会派エンターテイメント、ラブ&ファミリーストーリーなど、いろいろな宣伝文句を並べていたが、実際は重いテーマをドラマとして消化できている内容ではなかった。

それぞれの登場人物がこのドラマの世界で本当に生きているとは思えない言動が多かったし、ドラマとして説明すべき内容を放ったらかしにしている箇所も多かった。たぶん、作っている方も途中でどうまとめればいいか分かんなくなっちゃったんだろうな。いろいろツッコミながら笑えるドラマではあったんだけど、テーマが重いだけにそういう楽しみ方もしにくかったりして、何とも中途半端な作品だった。

とにかく、初回の視聴率は12%を超えていたのに、最終的には1ケタに沈んだこのドラマとの出会いは、武井咲にとってはツイていなかった。

■じつは武井咲がウザかわいい『東京全力少女』

そして、武井咲が3クール連続の主演として出演しているのが、日テレ系水曜10時に放送中の『東京全力少女』だ。冒頭で説明した通り、初回から視聴率は1ケタで、まったく人気はない。

ただ、このドラマは、実際に見るとみどころも多くて、意外と面白い。

武井咲が演じているのは、麗(うらら)という名前の少女。19歳の誕生日に死んだと聞かされていた父親がじつは生きていると母・さゆり(堀内敬子)から聞かされ、父親を探すために、香川県の琴平から単身上京するが、偶然出会った弁護士の父・卓也(渡部篤郎)は女性にだらしなく、金使いも荒い。
そこでこの父親を自分が幸せにしようと奮闘するハートフルコメディだ。

麗の性格は明るくポジティブで、何事にも全力で立ち向かう猪突猛進タイプなので、何かと空回りすることが多い。こういう主人公は最近人気がなく、ただウザいだけと、敬遠されることも多い。それが初回の数字にも現れているのかもしれない。

ただ、このドラマの武井咲は明るさにイヤミがなく、ウザ可愛いキャラクターになっている。このあたりは、武井咲が本来持っている資質なんじゃないだろうか。

渡部篤郎が演じる父・卓也も、独身生活を満喫していたマンションにいきなり麗が転がり込んできたので、迷惑この上ない状況なのだが、15年ぶりに会った娘を放ってはおけずにオロオロする感じがまた可愛い。本来、渡部篤郎がコメディ向きだとは思わないが、ここでの武井咲とのコンビでは絶妙な掛け合いを見せている。

卓也のまわりにいる女性は、モデルの華子(比嘉愛未)、クラブのママ・はるか(森カンナ)、スポーツクラブのインストラクターでバツイチ子持ちの冬(市川由衣)という3人。それぞれにハッキリとキャラクターが分かれていて、ここもバランスは悪くない。麗は卓也を幸せにするためにも、この3人の本性を見極めようとするのだが、序盤はとにかく空回りする状況が続いている。

もうひとつ、麗が上京する時に深夜バスで知り合った大輔(三浦翔平)の実家で、外国人専用シェアハウスも経営する「カフェ玉川(たまりば)」という場所も登場するのだが、ここにいる人たちも個性があって面白い。店の雰囲気も独特で、ドラマ全体のいいアクセントになっている。

■隠れた『家族のうた』と『東京全力少女』の関係

この『東京全力少女』は、普通のコメディとして見ても十分に面白いのだが、じつは隠れた見どころとして、フジテレビ系で2012年4月から放送されていた『家族のうた』との関係が挙げられる。

『東京全力少女』の脚本は伴一彦で、言わずと知れた『パパはニュースキャスター』(TBS系)の脚本家。『家族のうた』の企画が発表された時、『パパはニュースキャスター』と設定が似すぎているとTwitterで発言した人だ(詳しくは「盗作騒動も影響!?『ATARU』が『家族のうた』を圧倒!」を参照)。結局、『家族のうた』は設定を変更して放送されたが、3%台の視聴率が続き、8話で打ち切りになった。

今期の『東京全力少女』は、そんな伴一彦が『パパはニュースキャスター』をリスペクトして新たにドラマを作るなら、こうやって作るんだ、というのを自らやっているフシがあるのだ。

『パパはニュースキャスター』は、独身の主人公の元にいきなり3人の娘が現れてパパになるという父娘関係を描いたコメディだが、『東京全力少女』も15年ぶりに娘が現れるという父娘関係を描いたコメディで、娘側を主人公にして描いている。

『東京~』に出てくる娘はひとりだが、父親の女性関係が3人。『パパ~』では愛と書いてめぐみと読む娘が3人登場したが、『東京~』では綺麗の麗と書いてうららと読ませている。どちらも印象的な名前で、その名前で父親がピンとくるという設定だ。『東京~』の初回冒頭で、麗がカメラ目線で視聴者に語りかけるシーンがあったが、これも『パパ~』で時々見られた光景。ストーリーはまったく別物だが、やはり意識して企画したと考えたほうが自然だろう。

もしこれが事実なら、そのことを事前に情報として流したほうが話題になったと思う。しかし、TBSとフジテレビの盗作騒動を、今さら日テレが持ち出すのはいくらなんでもマナー違反になる。だいたいそういう話題作りは、伴一彦がもっとも嫌うやり方だろう。

だからあくまでも、これは伴一彦が若い作り手に対して、過去の作品にインスパイアされるのはいいが、きちんとオリジナルを作れと示している作品なんじゃないだろうか。まあ、これで『東京全力少女』が高視聴率ならカッコイイんだけど、そうはいかないのがドラマ作りの難しいところなんだな。

とにかく、テレビドラマは、視聴率だけで作品の内容や主演の演技力まで判断されがちだけど、この『東京全力少女』に関しては、実際に見るとかなり面白いし、主演の武井咲もキュートに主人公を演じている。まわりがどう言おうと、個人的には『東京全力少女』を最後まで全力で楽しみたい。

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