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勤労学生がまだいるとしたら? -やる気があるのにチャンスがない学生にチャンスをあげようじゃないか的なお話-

6月21日(木) 13:30



一部のボンボンを除いて、学生ってのは貧乏なものです。僕も学生の頃は、仕送り前になるとルーだけカレー(とてもマズい)を食べたりしてました。が、なかには親の仕送りをあてにすることもできず、生活費や学費を全部自分で稼ぎながら頑張ってる学生もいるんですね。バイトで夜中の3時まで働いて、でも次の日の朝は1限から学校に行かなくちゃいけない。しかも奨学金をもらっているから単位は絶対に落とせない。そう、勤労学生はまだいるんです。

さて、『カナエール』という“児童養護施設を退所した後、大学等へ進学する若者を卒業までサポートするプログラム”があります。僕はこの『カナエール』が7月1日に行うスピーチコンテストを、ボランティアという形でお手伝いしています。

ちなみに、児童養護施設とは何かわかりますか? 数年前の“タイガーマスク運動”で耳にした人もいるかもしれませんが、いろんな事情で親と一緒に住むことができない子どもたちが暮らす施設のことです。全国で約3万人の子どもたちが児童養護施設で暮らしています。以前は親との死別というのが入所理由として多かったそうですが、現在は児童虐待や育児放棄など、親はいるけど一緒に暮らせない子どもたちのほうが多いようです。

献身的な職員さんたちが子どもたちを見守ってくれている児童養護施設なんですが、ひとつ問題があります(いや、ひとつじゃなくていろいろ問題はあると思うけれど、いま話題にしたいのはひとつ、ってことです)。基本的に、18歳になったら児童養護施設を出て自活しないといけないのです。つまり、高卒で就職をするのでなく大学や専門学校などに行ってもっと学びたい子どもたちは、自分でアルバイトをするなどして勤労学生になる必要があるというわけです。奨学金などもいろいろありますが、それだけで生活できるほど世のなかは甘くありません。それに、ほとんどの奨学金は、あとで返さなくてはいけません。

みなさんは18歳のころ、何をしていたでしょうか? 自分で生活費を稼ぎ、自分で学費を稼ぎ、クラスメイトが遊びに行くのを横目に学校帰りに週5回通うバイト先で「いらっしゃいませー」って言ってたでしょうか? 僕はパチンコばかりしてました。とてもダメな学生だったんです。ちなみに、これは彼らを責めることはできないと思いますが、児童養護施設出身者の大学中退率は、そうでない子どもたちに比べて非常に高くなっています。やはり勤労学生はキツいんです。金銭的にも、そして精神的にも。

ところで僕はジーンよりミームを信じてます。つまり、たまたま不幸な家庭に生まれた子を、僕たちはサポートしていけるし、サポートしていきながら、楽しい社会人生活を一緒に送れると思ってるんですね。
さきほども少し書きましたが、『カナエール』は、7月1日にスピーチコンテストを行います。このコンテストで、9人の児童養護施設で暮らす子どもたちや児童養護施設出身の若者たちが夢を語ります。夢って何だという話をしだすといろいろ大変になるので割愛しますが、つまるところ、「僕たちが勉強するのをサポートしてくれませんか?」というメッセージを語ってくれる会なんだと思います。

やる気のある若者たちを応援してあげてもいいなと、ちょっとでもそう思った方はぜひスピーチコンテストにいらしてください。チケットは5000円と決して安くはないですが、このチケット代が彼らの奨学金となります。コンテストには行けないけどサポートしたいという人には奨学金を継続的にサポートするシステムもあります。『カナエール』のサイトでは、この奨学金(卒業まで、一口月々2000円。15口でひとり分になる)を、「37.5時間/月のプレゼント(アルバイトの時給を800円とした場合)」と表現しています。時給で働くアルバイトがある意味で自分の時間を売ることに等しいとしたら、奨学金で彼らを助けることで、彼らに自由な時間をプレゼントすることができるんですね。

今回ボランティアに参加して何人かの児童養護施設育ちの子たちと会いました。いろいろと思うことがあったんですが、なかでもひとつ印象的だったのが彼らが諦め上手だということです。残念ながら施設での暮らしでは親元での暮らしのように“わがまま”が通りません。だから彼らは長い時間をかけて、諦めるのがうまくなってしまってるんじゃないかと思います。そんな彼らに「キミの応援をしてくれる人はけっこういるんだぜ? だから諦めないでもうちょい頑張ってみようぜ?」というメッセージを伝えられたらと思うんです。夏の暑い日(たぶん)、涼みに来るくらいの軽い気持ちで良いんだと思うんで、この子たちのスピーチを聞きに来てみてください。

楽しく頑張れる若者が増えると、きっと僕らも楽しくなれるんじゃないかなと。
ではまた、会場で会いましょう。

P.S.
親の仕送りだけでも生活できる幸運な学生さんたちは、変にそのことをうしろめたく思うんじゃなく、感謝しながら学生生活を楽しめばいいと思うよ。

(寄稿:萩原佳明)

カナエール公式サイト
http://www.canayell.com/
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