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歯科医の教え 節水もできる「歯磨き」とは?

3月29日(火) 19:00

緊張する場面や精神的な不安にかられたとき、口のなかがカラカラに渇いた経験はありませんか。
口やのどが渇くと、口腔(こうくう。口のなか)のトラブルが急増すると言います。歯学博士で口腔衛生学専門の江上一郎先生(大阪市北区の江上歯科院長)にお話を聞きました。


■虫歯が増える、口臭がする、食欲不振になる……

江上先生は、口のなかが渇く症状についてこう説明します。
「緊張やストレス、睡眠不足が原因で口のなか全体からのどが渇いてしまうのはよくあることです。自律神経である交感神経と副交感神経がバランスを崩して正常に機能しなくなり、だ液の分泌が弱まるからです」

だ液の分泌が弱まると、どういう弊害があるのでしょうか。江上先生は、

「だ液は、口のなかの微生物を抑えて感染症を防ぐ、虫歯にならないように口のなかを洗浄する、歯を保護する膜を作る、舌の運動を滑らかにして発音を助けるなどの働きがあります。

だから、急なストレスでだ液が出にくくなると、あっという間にすべての歯が虫歯や歯周病になってしまうこともあるんです。同時に、口臭がする、乾いたものが食べにくい、食欲不振になる、舌にコケがたまる、口内炎がひどいなどという症状が出てきます。『ドライマウス』という病気と診断されることもあります」と答えます。

その対策について、
「理想として、『赤ちゃんのようにあふれるだ液』をイメージしながら、『だ液による歯磨き』(後述)をしてください。その後、あご関節を左右に軽く動かす、深呼吸を繰り返すなどの軽い運動を行います。ただし、口の渇きがひどいなと思ったら、可能な限り、早めに歯科医に相談してください」と説明したうえで、
「『だ液歯磨き』は、『節水できる歯磨き法』でもあるんです。その方法こそが口腔のトラブルを防ぐのには有効なんですよ」と言う江上先生の秘策とは……。

■ゆすいだ水を飲み込む

「朝起きたときと就寝前の1日2回、歯磨き剤を使わないで、歯ブラシだけで歯を磨きます。その後、少量の水を口にふくんで、ぐちゅぐちゅと縦横にそれぞれ4~5回ほどゆすぎ、その水を吐き出さないで、ゴクンと飲み込むのです」と江上先生。

えっ、飲み込む!? 驚きのリアクションを見せたところ、江上先生は、

「自分の口のなかのものを飲み込むことはなにも汚くはありませんよ。それに、たとえば、断水など水を大事にしたい状況になると、歯磨きを怠るようになります。口をゆすいで水を吐き出す行為が辛くなるん ですね。そんなとき、『だ液歯磨き』なら、のどを潤すこと、少ない水資源を体内に取り入れることになって体にいいのです。

だいたい、ゆすいだものを吐き出すという発想は、歯磨き剤を使い出してからのことです。それ以前は、飲み込むのがあたりまえでしたよ。

10年前に水が少ないタンザニアに旅行に出かけたとき、木の枝を上手に使って長時間歯を磨く人たちを見かけましたが、彼らはだ液を飲み込んでいましたね。

歯磨き剤を使うとどうしても吐き出さざるを得ないので、水がない環境では使わないようにしてください。また、塩を使うとのどが渇いてしまうので、水がないときには『塩歯磨き』は適しません」

と明快に語ります。

さらに江上先生は、
「一度勇気を出して飲み込んでみると、あとは慣れます。やがて、口腔内が潤うのが分かってきます。うちのクリニックでは、市販の発泡剤入り歯磨き剤を使用しないで磨くようにと指導していますが、そのほうが口腔粘膜の力を正常に保つことができるのです」と、自分のだ液で磨くことをすすめます。

■起床時がいちばん口のなかが汚い

江上先生は、「1日に何度も歯を磨かなくても、起床時と就寝前の2回でいい」という理由について、このように説明します。

「虫歯や歯周病の元凶である細菌のかたまりをプラーク(歯垢・しこう)と言いますが、これが一日のうちで最も繁殖しているのは起床時です。歯の表面を触ってネバネバしていたらそれがプラークで、食べかすとは違うので注意してください。

寝ているときにはだ液はあまり出ないので、口のなかが掃除されず、プラークが増大します。寝る前の歯磨きをすすめるのも、起床時のプラークを少なくするためです」

■歯ブラシがないときは

歯ブラシの代用についても江上先生は、
「歯ブラシが手に入らない状況にある場合は、綿棒、ガーゼのハンカチの切れ端、スポンジがあれば小さく切って指ではさんで歯を磨きます。それもないときや病気などで寝込んだときは、だ液だけで食べかすやネバネバをくちゅくちゅと掃除してから飲み込んでください。新たなだ液が出ますから」とアドバイスします。

ストレスと口腔内の異常は密接な関係にあり、だ液の不足は多くの疾病に発展する可能性があること、またその対策には、「だ液歯磨き」が有効であると教わりました。チャレンジしてみると、飲み込んだあとに口のなかがリフレッシュされたようで、すぐに新しいだ液が出てくることも実感できました。これはもう、実践あるのみです。

監修:江上一郎氏。歯学博士。江上歯科(大阪市北区)院長。
http://www.egami.ne.jp/index.html

(阪河朝美/ユンブル)

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