総登録者数200万人・よみぃが語る原動力「悪く言えば承認欲求、よく言えば創作モチベーション」
ピアニストでYouTuberのよみぃさん。2021年にチャンネルの登録者数は合計200万人を突破。トップYouTuberになるまでの10年間を振り返り、語ってくださいました。
よみぃ
ピアニスト・YouTuber
1997年、北海道生まれ。学生時代からYouTubeへの動画投稿を続けつつ、地元を拠点にピアニストとして活動。作曲家や太鼓の達人大会アンバサダーとしても幅広く活躍している。
1997年、北海道生まれ。学生時代からYouTubeへの動画投稿を続けつつ、地元を拠点にピアニストとして活動。作曲家や太鼓の達人大会アンバサダーとしても幅広く活躍している。
- 「SDカード1枚で始めた」動画撮影
- 登録者が増えるにつれ感じた「物珍しい視線」
- YouTuberとして腹をくくったきっかけ
- ピアノも動画も「やめたいと思ったことがある」
- 今でも「Youtuber」という職業に憧れている」
「SDカード1枚で始めた」動画撮影
――よみぃさんが初投稿したのは2011年、中学1年生(13歳)のことでした。Youtubeを始めたきっかけを教えて下さい。
ピアノは4歳から始めて、ずっとレッスンに通ってたんですけど、小学生の頃にネットで流行っていた、「弾いてみた」動画を見たんです。
最初はデジカメで撮影してたんですが、256MBのSDカード1枚しか持ってなくて。すぐ容量がいっぱいになっちゃうけど、SDカードもそんなには買えない。
そこで、SDカードに入っている動画ファイルをパソコンに取り込もうと、家にあった起動に30分かかるボロボロのパソコンをいじっているうちに、YouTubeに自分も投稿してみようかなと思い始めました。
ピアノ以外にも、ゲームや〇〇作ってみた等のジャンルで、当時の流行りに乗って動画を投稿するためにチャンネルを作りました。
今残っている、よみぃさんのメインチャンネル初めての動画
当時はもちろん、投稿から2日経っても3日経っても3再生とかそんな感じ(笑)。高評価でも低評価でも関係なく、2とか3とかつけば嬉しかったです。
「登録者数〇〇人を目指すぞ!」というような目標はなくて、中学生の時の僕からすれば何万人なんて夢のまた夢でした。
当時を振り返るよみぃさん。トップYouTuberにもそんな時代が……。
登録者が増えるにつれ感じた「物珍しい視線」
――その後少しずつ登録者数を増やしていき、2015年には5万人を達成しました。登録者数が増えたことで変化はありましたか?
普通に学校に通っているだけだと、付き合う世界は限られる。特に僕は学校で“THE陽キャ”というわけではなかったので、動画を通じて全国各地からいろんな声をもらえるのが面白くて。
でも、高校に入学して3日で身バレしたのは想定外でした…。
「当時使っていたアニメの痛財布が動画に写っていて、ばれちゃいました」
パンを買おうと思って並んでいた時に、2つ隣のクラスの人から「もしかして、よみぃさんですか?」って訊かれて。
高校生活は “そういう人種”として、物珍しい目で見られて、ちょっと生活しづらいなっていうのはありましたね。
先生から、既に登録者が数万人居たチャンネルを「消せ!」と迫られた事もあったとか。
YouTuberとして腹をくくったきっかけ
――その後、2020年1年間で登録者数は50万人から100万人へと倍増します。なにがあったのでしょうか…?
卒業して数年経った2019年頃(登録者約15万人)から、YouTubeで仕事をして食べていくことを考えるようになりました。
僕はそれまで、基本的に作曲や演奏、ピアノ講師といった音楽系の仕事で生活していて、あくまでYouTubeはサブ。仕事も安定していたので、堅実にいこうと思っていたんです。
方向転換のきっかけは『キスマイBUSAIKU!?』に出演させていただいたこと。そこで初めて顔を出して、吹っ切れた……のかもしれません。

「それまで僕、ずっと顔出しなしでやっていたんです。」
当時、周囲で音楽系の仕事をしている人たちは、ネット活動している人に対して結構距離をおく感じがあったので、僕もYouTubeのことは伏せたかったんです。
でもテレビに出たことで、腹をくくれたのかもしれませんね。
いきなりたくさんの人に顔も全身も全部さらけ出すわけで、いやあもう恥ずかしくて(笑)僕、そのへんで初めて意識して服とか買い始めたんですよ。
「YouTuberとして目立つ服を着ようと思って、全身黄色のコートとか買って着たりもしました(笑)」
それから、再生回数を増やすために、細かい編集の仕方も変わりました。
【Before】2019年1月の投稿動画
【After】2019年8月の投稿動画
昔はテロップはもちろんカットもしないような、撮影したままの動画が多かったんですが、目線や企画の仕方を少しテレビっぽくしたり、かなり意識が変わりましたね。
登録してくださる方の数が増え始めたのが、そういう熱量の結果だとしたら、すごく嬉しいです。

実際に2020年から急激に登録者数が増え始める。
ピアノも動画も「やめたいと思ったことがある」
色々あって動画投稿をやめたいと思ったことも何回かありますね。ピアノも、子どもの頃にレッスンが嫌でやめたいみたいなことはありました。
学校など生活環境が限られていると、周りの声を気にしないとうまくやって行けないことってあると思います。
結果的に続いているのは、その頃抑圧されていた欲求が解放された事もありました。やっぱり承認欲求が強いんですよね。
悪く言えば承認欲求もあって、よく言えば創作モチベーションみたいな、そういう感じがいろいろ混ざり合って、続けられている1つの要因になってるんだと思います。
今でも「Youtuber」という職業に憧れている」
―ご自身のことを、どんなYouTuberだと思いますか
今ではピアノがメインの動画が多くなりましたが、元々ゲーム諸々の動画を投稿する事がきっかけだったこともあって、こだわって“ピアニストYouTuber”とか、“YouTuberピアニスト”というふうにくくってはいないんです。
今までにない新しい音楽の表現方法を探していきたいです。
「もちろん自分で自分の事をトップYouTuberだとは思っていなくて、毎日編集や企画を考え続けている感じですね。」
――初投稿から10年、現在合計200万近くの登録者数。13歳の自分が今の自分のチャンネルを見たら、なんと言うでしょう?
難しい質問にも、慎重に言葉を選んで答えてくれたよみぃさん。
いやあ、動画をあげるという意味で、やってることはずっと同じなので、10年前の自分をあんまり別人に思えないですね。
でも、編集スタイルとかは改変されていて、「これ、俺のチャンネルか?」みたいには一瞬思うかもしれないですね(笑)
内容としてはずっと変わらずに自分が作りたい動画を作っているつもりなので、当時の自分に今の動画を見てもらって、チャンネル登録してもらえたら良いなぁ、と…(笑)
最後に「10年前の自分にも、よみぃチャンネルの登録者になってほしい」と語ったよみぃさん。「作りたい動画を作る」というブレない信念が人気の理由なのかもしれません。
