ニッチェ・江上、不妊治療でピリついた夫婦仲「なんで女性ばかりがつらい思いをするの?」

AmebaとDonobanが運営するMAMADÉオフィシャルブログで『ママ応援week!!』を期間限定で開催中。「心のまま、あなたのままで」というブランドのコンセプト通り、妊娠・育児中のママが自分らしく前向きに心豊かに過ごせるようさまざまなコンテンツを提供しております。

本企画はAmebaNews×『ママ応援week!!』の共同企画として、2015年に一般男性と結婚し、2020年に第1子を出産、現在は第2子を妊娠中のお笑いコンビ・ニッチェの江上敬子さんにお話を伺い「不妊治療編」「第1子妊娠出産編」「第2子妊娠編」の3部作でお届けします。

今回は、お子さんを授かるまでの不妊治療編です。

結婚する前から夫は子どもが欲しいと話していた

ーーさっそくですが、江上さんご夫婦は不妊治療で第1子を授かったと伺いました。不妊治療に踏み切るまでの経緯についてお聞かせください。

30歳のときに結婚をしたんですが、結婚する前から夫は子どもが欲しいと話していました。

私も「そうだね、恵まれたら嬉しいね」と言っていたんですが、実際に妊活をするとなると、仕事との両立が難しくて。とくに芸能の仕事は不規則なんですよね。夫の「子どもが欲しい」という気持ちと、私の「仕事がしたい」という気持ちとのバランスが取れていなかったと思います。

【画像】江上さん結婚式

ーー江上さんが妊活をはじめようと思ったのは、どのタイミングだったのでしょうか?

私が34歳のとき、夫に「どうしても子どもがほしい」と切り出されて、話し合いました。彼は私より8つ年上で、子どもを授かりたいなら年齢的にも体力的にもそろそろだよね、という話になりまして。

「とりあえずお互いの体を調べよう」と、夫婦で不妊専門のクリニックでひと通りの検査を受けたんです。でも、その直後に私が大きな仕事をいただいて、本格的に妊活をはじめたのはそれを終えてからでした。

検査で「自然妊娠は難しい」と発覚

ーー最初から不妊専門のクリニックを受診されていたんですね。

はい。妊活と仕事を並行するとなると、いろんな人にご迷惑をおかけしてしまうので、できるだけ効率よく進めたかったんです。

あと、私のなかに「漠然とした我慢は続けられない」という思いがありました。妊活や不妊治療って、なにかしらの「我慢」が必要になるじゃないですか。私は意志が弱い人間で、昔から我慢することが大嫌いなんですよ。だから、その時間をできるかぎり短くしたくて。

ーー検査の結果はどういったものだったのでしょうか?

私は「多のう胞性卵巣症候群」で、排卵しづらい体質だと判明しました。お医者さんから「不妊治療をした方がいい」と伝えていただき、治療を決断しました。早めに体の問題を明らかにできてよかったと思います。

【画像】手を前に出す江上さん

“体外受精は3回まで” 事前に夫婦で決めたこと

ーー不妊治療にはどのくらいの期間をかけられたのでしょうか?

トータルで2年くらいです。そのうちの半分は「妊娠しやすい体づくり」でした。当時の体重は約85Kgで、今よりずっと太っていたんです。もう少し痩せたら妊娠しやすくなるということで、1年かけて10Kg近く体重を落としました。

ーーおふたりはどういった不妊治療を選択されたのでしょうか?

私たちは人工授精を飛ばして、すぐに体外受精へとステップアップしました。不妊治療って、すごく時間がかかるんですよね。長期化すると心や体の負担も大きくなるし、はじめから妊娠確率が高い体外受精でいこうという話になりました。

ーー不妊治療を始める前に、旦那さんと決めていたことなどはありますか?

無限に続けていると気持ちが持たないし、お金もかかるので、ふたりで話し合って「体外受精を3回チャレンジして、ダメだったらやめよう」と回数の上限を決めていました。

【画像】インタビューに答える江上さん

夫はとにかく子どもを育てたいという気持ちがあったようで「もしも不妊治療がうまくいかなければ、養子を迎えたい」という話もしていましたね。私もそれには賛成していて、養子縁組の制度についてもいろいろリサーチしていました。

「なんで女性ばかりがつらい思いをするの?」ピリつく夫婦仲

ーー不妊治療の期間中に、どのようなことが大変だったのでしょうか?

先が見えないことがすごく不安でした。夫婦関係もピリついて、めちゃくちゃ喧嘩をしたし。「これはもう離婚だな」と思う瞬間が3回くらいありましたね(笑)。

ーーその原因を伺っても良いですか?

不妊治療って、夫婦で取り組むものじゃないですか。でも実際には、精神的にも体力的にも女性ばかりがしんどい気がして「こんなの不公平だ!」という行き場のないストレスを抱えていました。

【画像】手を頬につく江上さん

私は仕事をセーブして、頻繁に通院して、決められた時間に薬も飲まなきゃいけない。一方で夫の生活は、ほぼ変わらなくて「病院でなにがあった?」と気にかけてもくれない。そんな不満を溜め込んでしまっていました。

ーー夫婦仲がギクシャクした時期はどのくらい続いたのでしょうか?

1年くらいです。私たち夫婦はお酒が大好きなんですが、お酒に関する喧嘩も絶えなかったですね。

私が妊活のために飲酒を断っていた時期に、夫がベロベロに酔って帰ってきた夜には「こっちは我慢しているのになにやってんだ!」ってブチ切れました。「ちょっとは想像してくれないと、夫婦としてやっていけないよ」って。

離婚の危機を救ってくれた意外な人物

ーー不妊治療中に夫婦仲がこじれるケースは多いと聞きます。江上さんご夫婦はどのようにして乗り越えたのでしょうか?

それがですねぇ、夫婦でいくら話し合いをしても解決に至らなかったので、行きつけの飲み屋の店員さんが仲立ちをしてくれたんです。未婚のムキムキなお兄さんなんですけど、夫がその方に絶大な信頼を寄せていて、彼の話なら聞くというので(笑)。

大喧嘩をした日の夜に、お兄さんが夫に「旦那さんさー、奥さんだってさー」って話をしてくれて、そこで初めて夫も身に染みたようでした。「なんで私が何度言ってもダメだったのに、お兄さんの言葉は身に染みるんだよ」って思いましたけど(笑)。でも、そこから徐々に夫は変わってくれました。

ーーそのお兄さんが救世主だったんですね。

まさに!彼の協力があって、ようやくお互いに歩み寄ることができました。私も冷静になって「自分ばかりつらい」というマインドになりすぎていたと反省しました。

【画像】夫とお酒を手にする江上さん

夫は夫で「妻にどう接していいかわからない」という戸惑いや「つらそうな妻に代わってやれない」という葛藤があったんですよね。実際に自分が体験してみないと想像できないことばかりだと思うし。それをあまり分かってあげられなかったなぁと。

夫は基本的に、すごくやさしい人なんです。でも、不妊治療をきっかけに夫婦関係が変わってしまうことも十分に起こりうるんだと痛感しました。

ーー不妊治療中、もしくはこれから不妊治療をする女性に向けて、どんなアドバイスがありますか?

まずは「不満を溜めないこと」が大切だと思います。なかなか難しいですが、心の内をできるだけ言葉にして旦那さんに伝えることができたら、意識のズレを小さくできるはずです。

あとは、友達でも家族でも、夫以外の心を許せる人に相談することでしょうか。できたら女性の理解者と男性の理解者がひとりずついたら心強いかもしれないですね。私たちの場合は、お兄さんがどっちの役割もやってくれたんですよ(笑)。

【画像】花を持つ江上さん

明るいキャラクターの江上さんが「私なんて生きてる価値ない…」と妊娠中に軽いうつ状態になってしまった話や第2子妊娠中のコロナウイルス感染など、気になる続編はMAMADÉオフィシャルブログにも掲載します。ぜひチェックしてみてくださいね。

【画像】江上さん第一子妊娠出産編バナー

日向みく

取材・編集AmebaNews編集部

撮影オカダマコト

合わせて読みたい記事

編集部のおすすめ記事

Check it

この記事と一緒に読まれている記事