「平等はむずかしいけど…」魔裟斗と矢沢心が語る3姉弟への愛情の伝え方
夫婦のカタチ今では3人のお子さんがいる元格闘家の魔裟斗さん、女優・タレントの矢沢心さんご夫婦。結婚当時、現役バリバリで最初は「子どもは自然にいつかできるでしょ」と思っていた魔裟斗さんが不妊治療に本腰を入れるまで、矢沢さんは当時どんな気持ちで横にいたのか語っていただきました。
不妊治療のみならず、夫婦円満、家族円満の秘訣や、お子さんたちのお話など、男女のコミュニケーションに悩んでいる人にも刺さる、お話がたくさんです。
魔裟斗 (まさと)
元格闘家・タレント
1979年、千葉県生まれ。15歳でボクシングをはじめ、17歳でキックボクシングに転向。2003年・2008年にK-1 WORLD MAX世界王者になる。2009年の年末に現役を退き、その後は解説者やタレントとして活躍。
1979年、千葉県生まれ。15歳でボクシングをはじめ、17歳でキックボクシングに転向。2003年・2008年にK-1 WORLD MAX世界王者になる。2009年の年末に現役を退き、その後は解説者やタレントとして活躍。
矢沢心 (やざわ・しん)
女優・タレント
1981年、東京生まれ。1997年に映画『バウンス ko GALS』でデビューを果たす。女優、タレントとして幅広く活躍。自身の不妊治療経験を綴った著書『ベビ待ちゴコロの支え方 あきらめない妊活、31のコツ』(主婦の友社)を出版。
1981年、東京生まれ。1997年に映画『バウンス ko GALS』でデビューを果たす。女優、タレントとして幅広く活躍。自身の不妊治療経験を綴った著書『ベビ待ちゴコロの支え方 あきらめない妊活、31のコツ』(主婦の友社)を出版。
しっかり者、泣き虫、破壊王!3人のお子さんが全員魔裟斗さん似!?
ライター菊池
3人のお子さんについて教えてください。
矢沢さん
小学校2年生の長女、幼稚園生の次女、去年生まれた長男の3人なんですが、基本、みんな根は負けず嫌い。顔も性格も主人似なんですよ。
魔裟斗さん
シャイなところもあるかな。
魔裟斗さん
長男は一番やんちゃ!やっぱり女の子と男の子で性格が違います。それぞれ違うかわいさがあって、全員かわいいんですよ(笑)。
女の子のほうが育てやすいとは聞いてたけど、男の子が生まれて、その意味がよくわかった。
ライター菊池
やはり違うんですね!
魔裟斗さん
長女が生まれたのは、自分が33才のときなんですけど、その頃に男の子が生まれていたら怒りが爆発していた場面が多かっただろうなって思うんです。
それが、1人目2人目を経ての男の子で、こっちも子育てに慣れてきてるんですよね。年を重ねて許容できるようになったっていうか。昔だったら我慢できなかっただろうなって。
矢沢さん
ほんと!男の子はよく動くし、よく遊ぶし、よく物を投げる(笑)。「破壊王」って呼んでます。ボールを投げるのも水遊びするのも全部アグレッシブだし、なんでもこなしちゃいますね。
ライター菊池
ストライダーに乗っている写真がブログに上がっていてびっくりしました!
魔裟斗さん
やっぱりなんでもお姉ちゃんたちの真似をするので、成長が早いですよね。
矢沢さん
お姉ちゃんたちができることは自分にもできる!と思ってるみたい。甘えん坊って言うのは上2人と変わらないですね。
ライター菊池
では、お姉ちゃんたちはいかがですか?
矢沢さん
2人ともシャイです。自分からどんどん前に行って自分をアピールしていく感じではないですね。
魔裟斗さん
お遊戯会のときも、主役やったらいいのにって思うけど、そういうのはやらなくて。でも、自分の子どもの頃を思い出すとこんな感じだったなって思うんですよ。
矢沢さん
長女はベビーカーの中でよく寝る子だったんです。静かだなと思って覗くと、一粒涙を流しながら起きてるっていうことがあって。もっとアピールしていいんだよ!って思ったのを覚えてます。
魔裟斗さん
長女はしっかり者で、次女は甘えん坊。ちょっとわがままかな(笑)。
矢沢さん
あと泣き虫ね。長女はシャイと言いつつ、歌やダンスが好きでいつも歌ったり踊ったりしてるんです。スーパーに行くときでもドレスを着るくらいプリンセスに憧れのある、女の子らしい子ですね。
ライター菊池
かわいらしいですね。
矢沢さん
あ、そうそう。まだ長女が生まれたばかりの頃、主人が1日何十回も「かわいいな、かわいいな」って言っていて。何回言うんだろうって思ってました(笑)。
次女のときにも「かわいいな、かわいいな」って。もちろん長男にも「かわいいな、かわいいな」って(笑)。
魔裟斗さん
(笑)
平等は難しい。3人への接し方を自問自答
ライター菊池
3人いると、平等に接するのが難しそうですが、何か気を付けていることはありますか?
魔裟斗さん
平等っていうのは難しいと思うんですよね。洋服買うにしてもお姉ちゃんのお下がりになりがちですしね。「いつも私ばっかり…」って思わせないようにはしているつもりですが、多少なりとも次女が我慢している部分もあるんだろうな。
僕も次男だったので、なんとなくそういう気持ちわかるんですよね。「いつもお下がりだな」って。
矢沢さん
私は、逆に次女が生まれたときに長女が寂しい思いをしないように、長女のことをちゃんとかわいがろうって思っていたんですよね。赤ちゃんってどうしたってみんなにかわいいって言われるじゃないですか。
ライター菊池
長女なので、その気持ちよくわかります!
矢沢さん
ただ、小学校に行ったり新しい体験は、長女が先に経験するから、実は長女にかける時間が長いなって思ったんです。そんなとき、今度は次女にちゃんと愛情を与えてあげられているかなとか、ギュッとできているかなって思いはじめて。今でも自問自答しているところです。
ライター菊池
では、「家族円満」の秘訣というと…?
魔裟斗さん
愛情を持って過ごすことじゃないですか!?言葉でも伝えるし、娘それぞれと話す時間を持ったり、息子と一緒に遊んだりする態度でも伝わるんじゃないかな。以心伝心っていうか。
矢沢さん
伝わるまでのプロセスも大事だとも思います。主人の場合は、信頼を築くプロセスをきちんとしているからこそ、以心伝心が成り立つと思うんです。
そこのプロセスにおいてスキンシップっていうのはとても大事なんじゃないかなと。娘たちは主人のお腹の上ででんぐり返りしたり、触れてくるもんね。
魔裟斗さん
そうだね、触れ合うことは大事かもしれない。
矢沢さん
子どもの様子が気になるときは、送り迎えのときに、必ずハグやほっぺたにチュッとか、何かできたときには撫でるようにしています。会話よりもスキンシップすることのほうが、安心感と安定をあげられる気がしていますね。
魔裟斗さんの誘いを断る!長女は順調に親離れ中
ライター菊池
魔裟斗さんは、砂場遊びがすごく上手だとお聞きしたんですが…
魔裟斗さん
あ〜〜(笑)。トンネル堀りですね。山を作った後にトンネルを掘って水を流すんですけど、あれって斜め下に掘っていくのがポイントなんです。あの海ほたるのある東京湾アクアラインもそういう風にできているんですよ。
ライター菊池
なるほど!その砂場遊び、お子さん喜びそうですね。
矢沢さん
他の子どもも寄ってくるよね。
魔裟斗さん
そうそう、それも嬉しいし、他の親ができないこと、「俺はできるんだぜ」と思いながらやってたりもします。
矢沢さん
あんまり泥だらけになりたくないじゃないですか(笑)。親たちはすごいねーなんていいながら眺めているんですが、主人だけはその中に入って一緒に遊んでいて(笑)
魔裟斗さん
実は砂場遊びは好きじゃなかったんですけど、自分も楽しまないと子供と遊ぶことが苦になっちゃうんでね。どう楽しめるか考えた結果トンネル堀りにつながったわけです。やってたら「意外に楽しいじゃん」って。
ライター菊池
お姉ちゃんたちとはどんな風に遊ぶんですか?
魔裟斗さん
前はアクティブに遊んでたけど、最近は部屋で遊ぶのが好きになってきてるね。
矢沢さん
そうだね。ちょっとずつ成長してるんだなって感じています。確かに遊び方が変わってきたね。
魔裟斗さん
最近断られるもんね。俺が誘うと…。
ライター菊池
えー!(なんて贅沢な)
矢沢さん
でも、姉妹は結構アクティブに遊ぶのが好きなんで、アスレチックに行くと、主人と遊ぶことが多くて。私は、息子のペースで、電車を見たりしていることも多いです。
魔裟斗さん
長女はもう親離れしてきましたね。親より友達と遊ぶのが楽しいみたいでね。友達の家に泊まりに行ったりしても全然平気なんだよね、親がいなくても。
ライター菊池
パパ、寂しいですね…。
魔裟斗さん
まあ、下がまだいるんで(笑)。
息の合うトークでお子さんたちのほほえましいエピソードを語ってくださったおふたり。
2007年2月に結婚し、12年6月に第1子となる長女、14年9月に次女を授かっていますが、実は妊娠・出産までに4年間、不妊治療に向き合ってきました。次回は、不妊治療について男性側・女性側の視点からお話を伺います。
▼後編はこちらから
〈取材・文=菊池有希子/編集=Ameba編集部/撮影=長谷英史〉