アイドルからプロデューサーへ。小嶋真子のセカンドキャリアの切り拓き方
2019年にAKB48を卒業し、アパレルブランド「HALUHIROINE」を立ち上げた小嶋真子さん。2021年にはエイジレスなブランドとしてリブランディングし、ますます幅を広げています。
アイドルからインフルエンサーやプロデューサーに転身し、活躍されているセカンドキャリアについて伺いました。
小嶋真子
HALUHIROINEプロデューサー
1997年5月30日生まれ。東京都出身。愛称“こじまこ”。2012年AKB48 14期研究生としてオーディションに合格し、2019年5月まで活動。卒業後はアパレルブランド「haluhiroine(ハルヒロイン)」をローンチ。2021年春には「HALUHIROINE」にリブランディング。現在はプロデューサー業を中心にタレントとしても活躍。
1997年5月30日生まれ。東京都出身。愛称“こじまこ”。2012年AKB48 14期研究生としてオーディションに合格し、2019年5月まで活動。卒業後はアパレルブランド「haluhiroine(ハルヒロイン)」をローンチ。2021年春には「HALUHIROINE」にリブランディング。現在はプロデューサー業を中心にタレントとしても活躍。
AKB時代に考え始めたセカンドキャリア
アパレルブランドをはじめようと考えたのは、まだAKBにいた頃。
アイドル時代は、ほとんどが男性のファンだったので、同世代の女性と交わる機会はありませんでした。
そんな中、Instagramが流行し、アカウントを開設したことが転機となって。
当時からお洋服や訪れたカフェなどを発信していたんですが、そこにはアイドルの自分ではなく、1人の女の子としての自分がいる気がして、のめり込んでいって……。
私服を投稿していくうちに、「その服のブランドどこのですか?」とか「真似したいです」「コーディネートのコツを教えてください」といった声をいただくようになりました。
そして、自分の発信が「かわいい!」という共感を経て、“訊かれる”立場に変わったのを実感した瞬間があったんですよ。
私は元々イモっぽい感じで、女の子から憧れられる存在ではなかったからこそ、垢抜ける方法やポイントについての質問が沢山ありました。
そういう声を受け取りながら、自分に何かできることはないかと考えていた時、わかりやすく形にできることとして思いついたのが、アパレルブランドの立ち上げ。
ただ、そうは言っても、何からはじめたらいいのかわからない。
そこで、いつどんな場所でも「アパレルブランドをやりたい」ということを口に出すようにしていたら、ありがたいことにご縁を繋いでいただける機会があって。卒業と同時にブランドをローンチしました。
間を空けなかったのは、エンジンをかけたまま、勢いを落としたくなかったから。私、一回ブレイクを挟んじゃうと立ち上がれないんです。
アイドルからプロデューサーへ。「芸能人枠」の葛藤
新しいことをはじめるという点ではワクワクや楽しみがある一方で、1人でやっていくことに対しては大丈夫かな、ついてきてくれる人はいるのだろうかといった不安は当然ありました。
それに、私はアイドルを長くやっていたので、どうしても“芸能人ブランド”枠に入れられてしまう。
でも、それをプラスに捉えるかマイナスに捉えるかは自分次第。
そもそもAKB48時代、対人間のメンタルは鍛えられました。握手会ではいろんな方に合わせたコミュニケーションが必要だったし、いろんなことを言われてきたので、ちょっとやそっとのことじゃ動じない。
そしてリブランディングを考えはじめた頃、「HALUHIROINE」が今後大きくなるにあたって、自分が芸能人であることは必要な材料なのだろうか、という葛藤がありました。
当初から大切にしているのは“ブランドにとって有益かどうか”。
ブランドのためになるなら、自分が前に出ても出なくてもいいというのが結論です。
「当たり前」でないからこその努力
現場の声も大事にしていて、例えば会社員の方が着てくださるような服を作ろうと思ったら、丸の内へ女性会社員の方たちのリアルな服装を見に行ったり。
ランチに出かけるときはミニバッグなのか、お財布だけを持っているのかなど、細かいところまで観察するようにしますね。
そもそも私はアルバイトをしたこともなければ会社に入ったこともありません。そういう人がアイドルをやめてアパレルブランドのディレクターとして迎え入れてもらえるというのは、当たり前じゃないし、誰よりも頑張らなくてはいけない。
とはいえ自分1人では何もできなくて。
チームの皆さんの力と知識をたくさんお借りして、はじめて成立しているので、周りにいてくださる方たちが喜んで協力したくなるような人としてのあり方、人間性はすごく大事なんじゃないかなと思っています。
AKB48時代に「やめたい」と思ったことも
AKB48にいる間に一回だけ、「やめたい」と思った瞬間がありました。
卒業の2、3年前(2016~2017年頃)、アイドルとしてステージに立っていることが誰かのためになっているという実感がなく、自分の存在意義がわからなくなってしまって……。
今の状況を抜け出すためには環境を変えないといけないと思って、峯岸みなみさんに相談したら、「今じゃない」とハッキリ言ったんです。
「あと半年頑張ってみよう、そこで心境が変わらなかったらやめていい」って。峯岸さんが明確に方向性を示してくれたことで、すごく気持ちが楽になりました。
それから半年間、自分なりにできることをしているうちに、もうちょっとAKB48でできることがあるのかなと思うようになり、だんだんと霧が晴れていって。
私の場合、相談するのは、自分のなかで答えは出てるんだけど、最後のひと押しが欲しい時。
同時期にInstagramをはじめたことが結果的にアパレルブランドに繋がりましたが、あの時AKB48として踏ん張ったからこそ、アイドルは「やりきった」と思えるし、やめなくてよかったですね。
人生の岐路に立たされた時、迷った時は、第三者に意見を聞いてみるのもひとつの手。
ただ、自分の人生は一回しかない。一回しかないといっても、明日死ぬ可能性だって大いにあり得ます。明日も同じ体勢でポテトチップスを食べているんだったら、来週からなりたい自分でいられるように努力したい。
やりたいことが明確にあるなら、早めに行動したほうがいいんじゃないかなと思います。
「小嶋真子」が目指すもの
「HALUHIROINE」が目指すのは、長く愛されるブランドになること。
例えば、ちょっと嫌なことがあってもお洋服のおかげで気分が上がったり、明日あの人に会うからこれ着ようとウキウキしたり、私はお洋服に力をもらって生きていて、ブランドのベースにある考え方も「女性の味方でいたい」というもの。
キュンとしたりドキッとしたり、プラスの感情をプレゼントできるのが理想です。
ブランド立ち上げ当時は、自分と同世代(10代後半~20代前半)をターゲットに、洋服の系統も絞って展開していました。
リブランディングをしたのは、自分自身が年齢を重ねるなかで、おしゃれは何かに囚われることなく、自由であってほしいという想いがますます強くなったから。
「自分の好きな格好が、年齢と合っていないと言われます」といった声を聞くと、もっと柔軟でいいのに、と。そこで、変化を前向きに楽しむ女性に寄り添える、エイジレスなブランドに方向転換しました。
自分と楽に向き合って、自分の“好き”に正直であることを大事にしたいし、大事にしてほしい。
ブランドも形にこだわらず、常に模索して、変化しながら作っていきたい。長く愛されるためには、変化を怖れない柔軟さが大事かなと思います。
私の人生のテーマは、「笑顔で楽しむこと」。
実はやりたいことがたくさんあって、周りの人が幸せになるようなことをどんどん展開していきたいので、それに向かって着実に一歩ずつ進めるような自分でありたいなと思います。
結婚もしたいし、AKB時代のファンの方たちのために年に何回かは姿を見せられたらいいな。
アパレル以外にやりたいこと?それはまだ秘密です!(笑)