「元祖できちゃった婚」から33年。研ナオコ夫婦円満の裏に…
夫婦のカタチ誰もが知っている芸能界の大御所でありながら、飾らない人柄でその場の雰囲気を明るくする研ナオコさん。そしてそれを大きな懐で支える夫・野口典夫さんに、お互いの性格やお子さんのこと、長い結婚生活について語っていただきました。
- 人気ブログの裏側はネタの取り合い!?
- 「ふざけた人」「真面目すぎる人」と正反対の夫婦
- 「元祖できちゃった婚」から33年。子育てに奮闘した日々
- 「家族」がテーマの24時間テレビの裏で息子に危機が?
- 息子からの「出禁宣言」を破って行った最後の文化祭
- 一人暮らしをする娘の家にまだ入ったことがないワケ
- マネージャーさんの存在が家族円満の本当の秘訣?
- 撮影裏話!クレーンゲームに大盛り上がり
人気ブログの裏側はネタの取り合い!?
ライター菊池
2020年のコロナ禍では、ブログで紹介した研ナオコさんの手作りマスクが話題になりましたよね。
研ナオコさん
ブログはね、ネタの取り合いなんですよ。食事するときも、まず写真撮ろうとするから、私が食べたくてもずっと待ってるの。その場でブログ文章作りはじめるんですよ。
野口さん
忘れちゃう前に文章や写真をまずブログフォームに入れてから食事をするんです。食べ終わってから忘れたーって!いうことも多くて。
研ナオコさん
それで、食べ終わったあとのグチャグチャな状態を撮ったりしてね(笑)!
「ふざけた人」「真面目すぎる人」と正反対の夫婦
ライター菊池
では、お互いに紹介していただけますか? まず、研ナオコさん、野口さんのいいところについて教えてください。
研ナオコさん
長所は、楽しいことを見つけてくれたり、楽しませてくれようとすることかな。自粛期間中に屋上でやったキャンプとかね(笑)。
野口さん
俺がね、3年くらい前に友達と一緒に初めてキャンプに行ったんですよ。それがすごく良かったから、お母さんにも楽しんで欲しくなって。
張り切ってテント張ろうとするんだけど、テントの張り方、すっかり忘れちゃってるんですよ。
研ナオコさん
もう、てんやわんやなんですよ。それがおかしくて(笑)。
屋上でご飯食べて、その後はもう部屋に帰るかなんて言ってたんです。そんな時、テントが裏返しじゃないの?って気付いてふたりで大笑いよ。
ライター菊池
おふたりのブログを見ていると、毎日本当に楽しそうです。
研ナオコさん
家の中でちょいちょいギャグを飛ばしてくるんですよ。
ライター菊池
ギャグ…?
野口さん
例えば、実際にあったことをちょっと膨らませて話したりすると、お母さんはそれをギャグだって気づかずに真面目に聞いちゃう。
研ナオコさん
そう。私、根が真面目なんですよね。
ライター菊池
では、今度は、直して欲しいところがあれば教えてください。
研ナオコさん
そうだな〜、言葉のチョイスを間違えたりとかするときあるんです。その一言でどれだけ人が傷つくかっていう…。
野口さん
それ、最近知ったんですよ!
研ナオコさん
遅い、遅い(笑)。今までずっと言わないでガマンしてたんです。
子どもたちが「はっきり言ったほうがいいよ、父ちゃん全然気づいてないから」って言ってくれたんです。それで勇気出して「傷ついてるんだよ」ってことを伝えたら「そうなんだ!?」って素直に聞いてくれました。
ライター菊池
「俺はそんなつもりじゃなかった」とか言い返してケンカになったりしないんですか?
野口さん
傷つけるつもりはなかったっていうのは言いましたね。なんとかしてあげなきゃって思った、と。
研ナオコさん
正義感が強いのよね。ただ、言葉が強い。どんどん興奮してくるとトーンも高くなって、うっるさいの(笑)。
ライター菊池
では、野口さんのターンです。まず、研ナオコさんの長所を教えてください。
野口さん
長所はね、俺と正反対なところ。すごく尊敬してるんですよ。
例えば、俺の場合、仕事の前の日から考えすぎちゃうんですよ。「あれもこれも用意しなきゃ」って寝られないくらいに。今日のこのインタビューもそう。何を答えようって慌ててたんですけど…。
研ナオコさん
「聞かれたことに答えるだけよ」って。
野口さん
それを聞いて、「そうだね、聞かれてないのにペラペラ喋るの変だよね」って落ち着きました。
ライター菊池
すごく素敵なバランスですね。
野口さん
そう。肝が座っててすごいなって思うんですよ。
あと、人のことを放っておけない、面倒見のよさも良いところですね。例えば、交通事故が起こっていたとしたら、「何か困ってるのかもしれないから見てくる!」って行っちゃうんですよ。
研ナオコさん
放っておけなくて、警察に通報したことあったわね。
野口さん
そしたら、「ちゃんと通報入ってますよ」って言われたね。自分が「研ナオコ」ってことを忘れちゃうことは、周りからするとちょっと大変なことでもあるかなと。
研ナオコさん
へへへ。忘れちゃうの(笑)。人が倒れてるのをだまって見てらんないの。
芸能人っていう意識がないんですよ。だからスッピンで平気にSNS登場しちゃうしね。
ライター菊池
では、お互いを一言で表すとするなら?
研ナオコさん
「ふざけた人」です(笑)!
野口さん
えーっと、「真面目すぎる人」!
ライター菊池
「ふざけた人」と「真面目すぎる人」…ほんとに正反対ですね!
今日は、おふたりの結婚生活を振り返るお写真をお持ちいただいたんですよね。
「元祖できちゃった婚」から33年。子育てに奮闘した日々
野口さん
これは『主婦代行いたします』ってドラマのときだね。俺がADやってたんだよね。
妊娠がわかっての「電撃婚」を発表した後、スタッフさんが内緒で衣装を用意してくれたんですよ。
野口さん
「元祖できちゃった婚」ね!
研ナオコさん
元祖っていうのがいいね(笑)。
野口さん
この写真には写ってないけど、赤ちゃんのお人形さんも用意してくれて、共演者の人たちも一緒にみんなで記念写真を撮ったんです。
結婚して長男が生まれて、2年後に娘も生まれて。この頃から、ハワイに行くのが家族の行事になったよね。
ライター菊池
おふたりは結婚して33年になりますが、結婚生活は順風満帆だったのでしょうか?
野口さん
俺の中で一番お母さんと考えの違いに悩んだのは、子どもが幼稚園や学校に入るときかな。
そこで正反対な性格の違いがすごく出たね。
研ナオコさん
どういう学校に入れたらいいかをたくさん話し合ったよね。
芸能人の子どもということで、いじめの対象になることもあるかもしれないし、芸能人の子どもがいる学校のほうが、なにか問題があったときの対処の仕方も慣れてるかなとか。
野口さん
できるだけお手伝いさんに頼らず、自分たちでやって行こうって決めて、子どもたちにとっていい環境か、安心して送り迎えができるかどうか、いろんなことを話したね。
研ナオコさん
ふたりの子どもが幼稚園の頃は、私が深夜まで仕事しても朝早くにお弁当を作って、どちらかが幼稚園に送り迎えに行っていたね。
ライター菊池
それはすごく大変だったのではないかと思います…。
研ナオコさん
ストレスは全然たまらなかったの。でも、そのかわり倒れました!
ライター菊池
え!?
野口さん
それがストレスっていうんですよ、ほんと(笑)。そういうことがあってから、僕がお母さんのスケジュールを管理しはじめる様になりました。
子どもの送り迎えは、ふたりで分担していたんですが、お母さんが行くのが当たり前みたいな時代だったので、ポツンとうちだけお父さんがいると言う感じ。奥様方に「ごきげんよう」なんて言われちゃって。
ライター菊池
時代的にもお父さんのお迎えはめずらしい気がします。
研ナオコさん
でも、それを園長先生が褒めてくださってね。
野口さん
そう!ある集会で園長先生が「野口さんのお家はお父様が送り迎えにいらっしゃっています。これはとっても素晴らしいことなんですよ」って言ってくださった時には、奥様方が神妙にうなずいてたよ。
研ナオコさん
その後からだよね、お父さん方の送り迎えが少しずつ増えていったの。
野口さん
そのうち、お父さん同士で「どうも」なんて挨拶できるようになりました。園長先生がそういう風にみんなの前で言ってくださったのが大きかったですね。
「家族」がテーマの24時間テレビの裏で息子に危機が?
野口さん
大きな出来事として、2001年に24時間テレビでお母さんが女性初ランナーを務めたんです。その年のテーマが「家族」だったので、息子と娘と俺とで武道館まで行って出迎えて。
でも、その頃、息子が「研ナオコの子ども」ということで一番悩んでいた時期だったと思うんです。
ライター菊池
何があったんですか?
野口さん
子どもたち大きくなるにつれて、「研ナオコの子どもだ」って言われることがひっかかる時期がありました。
研ナオコさん
「車、何台あるんだよ?」とかいろいろ興味本位の質問もされていたみたいです。
中でも覚えているのは、息子が小学校3年生くらいのときに「友達ができた!」ってすごく喜んでいたんです。家に遊びに来るって話だったみたいなんですが、家の前で「研ナオコいるの?」って言われて「お母さんいないよ」って言ったらそのまま帰っちゃったらしくて…。
ライター菊池
それはショックですね…。
研ナオコさん
そう。そこから人を信用しづらくなっちゃいましたね。
ライター菊池
そのとき、おふたりはどうされたのでしょうか?
野口さん
学校でどんなことが起こっているのかわからないじゃないですか。なので、お母さんといろいろ話して、先生と連携しよう!って決めました。
僕が家での様子を伝えて、先生からは学校でどんなことがあったかをお互いに報告し合ったんです。あの時期は、何度も学校に出向きましたね。
研ナオコさん
私が出て行くと、強い印象を与えてしまうから、助かりましたね。そこから息子も少しラクになったみたい。
息子からの「出禁宣言」を破って行った最後の文化祭
野口さん
でもね、お母さんも可哀想だったんですよ。息子が高校入った頃、学校行事に一切行けなくなっちゃってね。
研ナオコさん
息子は“普通の高校生として過ごしたい”って気持ちが大きかったみたいだからね。
ライター菊池
息子さんの気持ちを汲んでいたんですね(しんみり)。
野口さん
でも、どうしても行きたい!って言って、高校3年生の最後の文化祭に行ったんですよ(笑)。
研ナオコさん
バレないようにこっそりしているつもりなのに「おかしいな、みんな見るなぁ」なんて言いながら。
研ナオコさん
コソコソと下駄箱に靴を入れていたら、やたら距離感の近い人がいるの。
ふっと見たら息子がニッと笑って立っていました。
野口さん
「やっぱり来たな」って。最後の文化祭に行くまでは、俺だけが学校行事に行ってビデオを撮ってきてましたから。息子も複雑だったんじゃないかな。
ライター菊池
それまで行きたい気持ちをずっと我慢して、お子さんの気持ちを尊重されていたんですね。
研ナオコさん
そうね。一番は子どもだから。
進学問題ではいつも話し合いしたね。途中意見が合わないこともあったけど。
ライター菊池
そうときはどのように落とし所をみつけるんですか?
野口さん
俺が「こうしよう!」って決めちゃったんじゃない?この目力でね!
研ナオコさん
何言ってんだか(苦笑)。
一人暮らしをする娘の家にまだ入ったことがないワケ
ライター菊池
そんなお子さんたちが巣立ってみてどうですか?
研ナオコさん
まだ巣立ったとは言えないねぇ〜
野口さん
それが問題だね(笑)。といいつつ、子どもたちにしてみれば親離れしてるんでしょうけどね。
研ナオコさん
むしろこっちが子離れできてないんですよ(笑)。
野口さん
そうそうそう。心配で心配で、娘が一人暮らしするときも俺が不動産屋にもついて行ってたし、インテリアも相談乗ったりしてたね。
研ナオコさん
実は、私はいまだに娘の家に入ったことないの。
ライター菊池
なぜですか?
野口さん
不思議でしょ? 僕も、理由がよくわからないんですよ。
研ナオコさん
あの子の空間だから、そこに入っていって余計な口出ししちゃいけないなと。もし入ったら、絶対口出しするもん、私。
野口さん
たしかにお母さんが行ったら「ああしなさい、こうしなさい」って言っちゃうね。
研ナオコさん
一緒に住んでる頃も息子も娘を部屋にいるときはノックして確認とって、向こうから開けてもらうまで入らない様にしてたのよ。
ふたりのランドセルも勝手に開けたことない。向こうも親のバッグを開けたりしないという風に、親がしないから子どももしない。自然に信頼関係を築いてきたのかもね。
マネージャーさんの存在が家族円満の本当の秘訣?
ライター菊池
お話を聞いていてすごく仲が良いのを感じますが、家族円満の秘訣はありますか?
野口さん
ケンカになりそうなときは、お互い無言になっちゃうからねぇ。
研ナオコさん
あまりにもガマンできないときは、20年以上一緒に住んでる“うちの長女みたいなマネージャー”に全部聞いてもらうのよ。
ライター菊池
マネージャーさんから見て、おふたりが仲良くいられる秘訣ってなんだと思います?
マネージャーさん
根に持たないことがポイントかもしれません。ナオコさんがイラッとして部屋に籠もって、その後ケンカになったことを持ち出さず普通に接してますよね。
研ナオコさん
そうね、次の日まで持ち越さない。その日で終えちゃう。っていうか、忘れちゃうのよね。
マネージャーさん
おふたりともネガティブさを引きずらないし、まわりもそれに巻き込まれて、楽しい雰囲気になっていく気がします!
野口さん
たしかに。それはあるね!
撮影裏話!クレーンゲームに大盛り上がり
取材後、知る人ぞ知るAbema Towers内にあるアベマくんクレーンゲームにお連れすると、これまた大はしゃぎ! もうちょっとで取れそうというタイミングに何度か失敗してからは、本気モードに。取材チームも一緒になって大盛り上がり。
そして、試すこと十数回…やっとアベマくんをゲット。
研ナオコさんがハッピーになることで、周りを巻き込んで幸せにしていく、その雰囲気を味わえた気がしました。おふたりの楽しい生活が垣間見れるブログから、今後も目が離せません。
〈取材・文=菊池有希子/編集=Ameba編集部/撮影=オカダマコト〉