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「2012」のCGを支えた日本人クリエイター、次なる目標は「日本に貢献したい」

11月04日 18時29分

 いよいよ11月21日に公開されるローランド・エメリッヒ監督の最新作「2012」。マヤ暦による2012年終末説を題材に、大地震、火山噴火、津波などを描いたスペクタクル大作で、その生命線とも言えるビジュアルエフェクトチームを率いているのが、弱冠31才の日本人、デジタルドメイン社の坂口亮氏だ。数々の作品におけるビジュアルエフェクトの功績で2008年にはアカデミー賞科学技術賞を受賞している坂口亮氏に、ハリウッドでの仕事について伺った。

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 高校生の頃、リュック・ベッソンの「フィフス・エレメント」を見て映像の仕事に興味を持った坂口氏。かっこよくて自分が見て嬉しくなるような映像を作りたいという希望を実現するため、慶応大学湘南藤沢キャンパス在学中に扉をたたいたのがハリウッドのデジタルドメイン社だ。インターンとして書類整理から始めたが、すぐにビジュアルエフェクトの作業にも関わるようになり、大学卒業後は同社の正社員となる。「アメリカの仕事環境は、どちらかというと居心地が良い方だと思います。特にデジタルドメインという会社は、大きいですが会社会社していないというか、仕事さえきちんとこなしていれば自己管理に任せるという社風があります」と、幼少時の海外経験もあり、いきなりのハリウッド生活にも特に抵抗はなかったようだ。

 仕事の力量も評価され、「実写で撮影された素材とCGを合わせるインテグレーションという作業から始めましたが、それを少しやってから『X-メン』に入りました。今もやっている自然災害分野のエフェクトは、その時最初に経験しました」と当時を振り返る。以降、ビジュアルエフェクトに関わった作品は10本以上。2008年にはその仕事ぶりが評価され、アカデミー賞科学技術賞を受賞した。

 今回の「2012」では、ビジュアルエフェクトチームを率いる立場に抜擢され、責任もより重くなった坂口氏。「実は『2012』の仕事が来た時には会社の許容量はいっぱいでしたが、会社はそれを受けてしまいました。僕は社内で他の仕事をやっていたのですが、『2012』をやる人がいないとまずいので、そちらに移動することになったのです。自分の専門分野で一番難しいチャレンジングな仕事なので、僕も行きたかったプロジェクトでもあり、途中から『2012』に入りました」と、にこやかに語る。

 「僕は日本人ですし、日本のCGに貢献できるチャンスがあればやりたいですが、もっと先の話です。今の仕事のベースであるアメリカで、満足できるレベルまで技術やコントロールの範囲が上がったら、それをどうやって日本に持ち帰ることができるか? そういうことはいずれ考えたいですね」と、やがては日本の映画界でも活動を考えている坂口氏。

 最後に、映像の仕事に就くことを考えている日本の若者にメッセージをお願いすると、「アメリカでも辛いですよ(笑)。特にCGは1年間ずっとパソコンの前に座っている仕事なので、外から見ているほど華やかではないですし、労働時間も長いというのが現実です。ただ、そういった悪条件があっても映像を作る魅力を感じるのであれば、それはすごくやりがいがある仕事であるのですが」と微笑んだ。(文・写真:平井景)

 「2012」は11月21日(土)丸の内ルーブルほか全国公開。

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