Amebaニュース

感染症も媒介する厄介な「蚊」。実は天敵だらけだった!

7/18(火) 8:00

夏の訪れとともに始まる、我々と害虫との闘い。嫌われ度No.1のゴキブリには、彼らを捕食するアシダカグモが宿敵として存在し、敬意を込めて「アシダカ軍曹」と呼ばれている。では、もう一つのやっかいな害虫として挙げられる蚊に、天敵は存在するのだろうか。専門家に聞いた。

■ボウフラ(幼虫)時代の蚊の天敵は?

蚊といえば、刺されて痒くなるのはもちろんだが、恐ろしい病気を媒介することでも知られている。デング熱やジカウイルス感染症などがその一例で、長袖を着るなど蚊に刺されないようにする以外、これといって対策がとりにくいのが悩ましい。

そんな蚊をやっつけてくれる生き物はいないのだろうか? 衛生動物学者で、感染症を媒介するマダニ類や蚊類などの研究に従事する山内健生さんにお話を伺った。

「魚類がボウフラをよく捕食することは有名です。虫に限定すると、ボウフラ時代に他のボウフラを捕食する蚊類(カクイカ類とオオカ類)、ゲンゴロウ類、マツモムシ、タイコウチ、ヤゴ類(トンボ類の幼虫)、ケンミジンコ類、寄生線虫類などが知られています」(山内さん)

山内さんが野外調査でボウフラを採集して帰宅すると、たくさんいたはずのボウフラがごく少数しかおらずがっかりすることがあるそうだ。

「これは、採集したボウフラの中にカクイカ類やオオカ類が混じっていたため、その他のボウフラを食べてしまったからです。なお、カクイカ類とオオカ類の成虫は人の血を吸いません」(山内さん)

カクイカ類とオオカ類は、普通に見られるボウフラより体が大きく、同じ水溜りに発生するボウフラを捕食して成長する蚊類とのこと。まさに「蚊の共喰い」とも呼べる現象が起こっているというわけだ。

■天敵たちを蚊の駆除に利用するための研究もされている!

ゲンゴロウ類、マツモムシ、タイコウチ、ヤゴ類(トンボ類の幼虫)などの肉食水生昆虫も、ボウフラをよく捕食する。したがって、これらが生息する水溜りにボウフラが大発生することはないのだという。

「私はゲンゴロウ類やヤゴ類がボウフラをどれくらいたくさん食べるか調べたことがあります。中には、一晩で数百匹のボウフラを全滅させてしまうほど大食漢の種もいました。ケンミジンコ類は特に若いボウフラを捕食し、寄生線虫類は特定の種のボウフラの体内に侵入して寄生します。寄生されたボウフラは蛹(さなぎ)になる前に死んでしまいます」(山内さん)

上位の捕食者を実際に蚊の防除に利用するための研究もなされているとのこと。余談だが、今話題のアニサキスは主に海産魚介類に寄生する寄生線虫類だ。

「成虫になると蚊は飛翔しますが、相変わらず天敵は多く、鳥やコウモリ、ヤモリ、カエルなどです。虫に限定すると、クモ類やトンボ類などがよく蚊を捕食します」(山内さん)

ボウフラ時代も成虫時代も、蚊には自然界のいたるところに天敵が存在している模様。荒波をくぐりぬけ生存しても人間の前では一捻りだが、どうやら彼らも命がけらしい。

なお、「教えて!goo」では「あなたと蚊との格闘秘話を教えて!」ということで皆さんの回答を募集中だ。

●専門家プロフィール:山内健生
衛生動物学者。博士(学術)。兵庫県立大学自然・環境科学研究所准教授。兵庫県立人と自然の博物館主任研究員を兼任。感染症を媒介するマダニ類や蚊類などの研究に従事。広島県出身。富山県衛生研究所主任研究員を経て2014年から現職。職業柄、蚊に刺されすぎたため、今では刺されてもほとんど痒くならない体質に。

(酒井理恵)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

■関連記事
「蚊に刺されやすいタイプ」は存在しない!?
実は昼間に刺される!医師に聞いたデング熱対策
気づかずに使ってない? 蚊に「刺される」「食われる」「噛まれる」……方言はどれだ!?
■人気Q&A
家の中に蚊が大量発生してました
あなたと蚊との格闘秘話を教えて!
教えて!goo ウォッチ

コラム新着ニュース

編集部のイチオシ記事

この記事もおすすめ

コラムアクセスランキング

注目トピックス

アクセスランキング

写真ランキング

注目の芸能人ブログ