日刊アメーバニュース

【給食】食べ残しを出さない「おいしい食づくり」の極意とは?栄養教諭に聞いた

2017年08月03日 06時30分
提供:ウレぴあ総研

「日本一おいしい給食」と「食べ残しゼロ」を目指したさまざまな取り組みが注目を集める、東京・足立区の給食。

慌ただしいママ必見!毎日のごはん作りが手早く楽になる5ステップ

区の調べによると、平成20年から8年間で、小中学校における給食の残菜率は11.5%から4.2%に減少。その数値からも、大きな成果が見てとれます。

子どもの食習慣や好みは十人十色。そんな中、食べ残しを出さないための秘策とは―?

足立区蒲原(かばら)中学校栄養教諭の紺野朋子さん、足立区教育委員会 学校教育部学務課「おいしい給食」担当の渋谷敏さんにお話を伺いました。

生徒との会話に改善のヒントが隠れていることも

この日のメニューは、小松菜パン、ペンネのミートソース焼き、小松菜サラダ、豆腐と卵のスープ、牛乳。

だしを含め、一から手作りされた給食は、またたく間に生徒さんたちのお腹の中へ…。

紺野朋子さん(以下、紺野)「私は、子どもが給食の時間を心待ちにしてもらえるように、献立を作る段階から、何をしたら喜んでくれるか、楽しみの時間になるのかと考えながら仕事をしています。

ヒントは、給食の時間の巡回(※)にあったりします。意外なヒントが隠されていたり、核心をついていることもあるんです。
※蒲原中学校では毎日給食の時間に、栄養教諭が各教室を回っている

例えば、標準レシピをもとに缶詰の桃を使った焼き菓子を作って出した時、子どもたちはあまり食べなかったんですね。どうしたのかと思って生徒に聞いたら、『このお菓子には桃は合わない』と言うんです。『リンゴではどうかな』と言ったら、『じゃあ次はそれで出して』と。

それで、次の機会にリンゴで作って出してみたところ、グンと食べるようになったんです。そういった話も聞けたりするので、時には給食では実施が難しいことを言われたりもしますが、子どもたちの意見は真摯に受け止めるようにしています(笑)」

見た目を華やかに。回数を重ね、徐々になじみを増やす

紺野「やはり食材は見た目を華やかに、いろいろな色合いのものを使うようにしています。

本当は、例えば小松菜なども、お浸しのように素材そのものを味わうメニューを出したいのですが、そこは抵抗があるようなので、今日のメニューのように、ゆでて刻んだものをサラダの中に入れたりしています。

子どもたちは給食を見ると、『今日の給食、全部食べられそう』と言います。『おいしそう』というよりは『食べられそう』というふうに、自分の食の経験値から、かなり見た目で判断しますね」

渋谷敏さん(以下、渋谷)「小学校で栗ご飯を出したときに、どういう味かわからないから、食べずに見ている子がいた、というような話も聞きます」

紺野「実際食べてみないとわからないですし、食べてみたら予想と違っていたり、裏切られる部分ってあるじゃないですか。でも、子どもたちはまだガードが固いというか。だからひと口でも食べようね、と言っています。

なじみのあるものにするために、同じ食材を回数を重ねて出したりもします。食も体験ですので、いろんな味を食べて、いろんな経験をしてほしいなと思います」

残菜率のデータをもとに原因を分析、献立作りに反映

紺野「足立区の場合、各学校で給食の『残菜率』を記録しています。その数値は、その日の気候や子どもの欠席数などで増えたり減ったりするので、それだけで100%判断できない部分はあるのですが、1つのデータとして、数字をとっています。

そして、前年のデータをもとに、同じ時期にどういうメニューを出し、生徒の食べはどうだったか、なぜ食べなかったのか、どこに原因があるのかなど、分析して献立をたてます。

メニュー自体に問題があるのかもしれないし、組み合わせに原因があるのかもしれない。いろいろな要因が考えられますが、次に献立をたてる時に、改善できる部分というのは必ずある。具材や調味料の配合を変えたり、メニューの組み合わせを見直したりしながら、給食を進化させていきます。

以前ナシゴレンを出した時も、最初は子どもの食べが悪かったのですが、お店に行って食べて勉強したり、何種類ものレシピを調べて、調味料の配合を変えて…と5回くらいリニューアルしたら、食べるようになりました。いろいろあるんですよ裏ワザが(笑)」

渋谷「各学校に栄養士は1人しかいないため、なかなか献立の悩みを学校内で相談しづらい環境にあります。そこで、月に1回、献立検討会などの場を設け、新人や経験の浅い栄養士が先輩から助言をもらったりして、問題をクリアにできるような形をとっています」

調理人の個性に合わせてレシピを変えていく

紺野「栄養士は材料の分量や料理の作り方を全部、調理員の方に指示をしていますが、調理する方によっても、少しずつ変更していきます。調理員さんによって、それぞれの火加減や炒め具合、煮詰め具合があるので、その方に合うようなレシピに変えていくんですね。

例えば、現在の方は素材の味を引き出すのがとても上手で、少ない調味料でも味が出るため、調味料を控えめにするようにしています。こういったことは、他の栄養士の方も、皆さん普通にやっていることだと思いますよ。足繁く調理員さんのところに行き、味見させてもらい、チェックします。

それで、次に同じメニューを作ってもらう際には、直した部分を反映させていくんです。そうするとだんだん、良くなってきます。データを蓄積して、どんどんバージョンアップしていくんですね。

他には、中学校では1人分のごはんの量が多い(1人約200g)ので、おかずの量も多くしたいところですが、タンパク質の所要量が1食あたり30gと決まっていて、肉や魚をたくさん出せるわけではないので、おかずの味つけに関しては多少濃いめにしています」

特別感のある食材が「食べたい気持ち」を引き出す

紺野「今日の給食では小松菜パンを出しましたが、去年の組み合わせではバターロールでした。その時はパンがかなり残ってしまったのですが、今日は結構食べていましたね。

こちらの小松菜パンは、区内にある『宇佐美農園』さんの小松菜パウダーを使用し、東京都では足立区でしか出せないパンなんです」

渋谷「授業の一環で区内の農園見学を行っている小学校では、『足立区の野菜って何?』と子どもたちに聞くと、全員が『こまつな~!』と手を挙げるくらい、区の野菜として定着しているんですよね。

紺野「『足立区だけしか食べられない』、そして『(区内で小松菜農家として有名な)宇佐美農園さんの小松菜を使っている』、子どもはそこにプレミアム感を感じるようで、意識が上がってよく食べます。だから、そういったものもどんどん活用して、たくさん食べてもらえるようにしています」

今回の取材で一番驚いたのは、ある家庭で普通に毎日食べているものが、ある家庭の食卓には今まで一度も登場したことがない可能性の高さ。そして、それを前提として給食が作られているということです。

魚は缶詰のように味が濃いのが好き、混ぜご飯より白ご飯の方が好き、果物は皮をむいてあれば食べる…。

そんな1人1人を大切に、新しい食体験を日々取り入れながら、全員が楽しく、おいしく食べられる給食を目指す…考えただけでも気の遠くなるような仕事をされている方々に、あらためて頭が下がる思いがしました。

お子さんが毎日食べている給食。皆さまもこの機会に注目されてみてはいかがでしょうか。


【関連記事】
慌ただしいママ必見!毎日のごはん作りが手早く楽になる5ステップ
子どもがジャンクフードを食べ続ける危険性とは?親が今すぐできること
【話題】「宿題代行サービス」賛成?反対?“自由研究1万5000円でも依頼殺到”の背景
家族4人で食費月3.5万!やりくり上手の最強主婦に買い物のコツを聞いてみた
PC・スマホじゃ脳は反応しない!? メール世代こそ重要な“手書きと学力”の関係

エンタメアクセスランキング

  1. 1星野源36歳「今とにかく寂しい。お互いが自然に思って結婚、それが僕の理想」と自身の結婚観を語る写真 8月19日12時46分
  2. 2石原さとみ『24時間テレビ』キッカケに成長 積極的な交流「人の心を知るために」写真 8月19日07時00分
  3. 3ALS発症した元アメフト選手追ったドキュメント「ギフト」 妻ミシェルが語る6年間写真 8月18日18時00分
  4. 4南明奈、よゐこ濱口優との結婚は?千原ジュニアのイジり炸裂写真 8月19日14時42分
  5. 5又吉のもとに目撃情報!綾部が「24時間テレビ」マラソンの練習中!?【視聴熱】写真 8月18日20時45分

ランキング

記事配信のポリシーについて

TOPへ戻る