日刊アメーバニュース

禁煙社会のために人体実験を――「小池新党」公認候補の過激意見

2017年06月20日 08時01分
提供:デイリー新潮

 小池百合子都知事(64)が率いる都民ファーストの会は、受動喫煙防止条例の制定を公約に掲げ、子どもの命を守るとの名目のもと、子どものいる家庭内での禁煙まで目指すと記者会見で発表した。

 家庭の中を条例で縛ることには疑問の声が上がるが、その背景に選挙事情があると語るのは、さる自民党都連関係者である。

「昨年の都知事選の頃から、小池さんサイドは東京都医師会とつるんでいた。彼らは厚労省以上の禁煙原理主義。東京都医師会を味方に留めておくには、過激だろうが何だろうが、他党との違いを出さないわけにはいかなかったんです。なぜって、東京都医師会の票が逃げてしまうから。つまり小池さんは、小泉さん譲りの二元論を使うことで、庶民票と東京都医師会の組織票を集めることが目当てなんです」

 進むも地獄、引くも地獄の豊洲問題では、小池劇場をどれだけ演出できるかは読み切れないところがある。豊洲に代わって庶民受けする新たな「タマ」として、禁煙を前面に打ち出してきた格好なのだ。

■「人体実験」

 こうした打算のもとに家庭内禁煙へと走り出した小池氏。そこに「丁度いい」タイミングで、ある催し物が巡ってきた。「タバコフリーサミット2017・東京」なるイベントだ。

 毎年5月31日は世界禁煙デーとされており、これにあわせてさまざまな禁煙イベントが開かれるのだが、その中のひとつで、同月27日に開催されたこのサミットに彼女は参加。都民ファーストが掲げる家庭内禁煙の正当性を訴えたのである。そして同時に小池氏は、

「選挙を前にすると急にいろんなことが動き出したりするものでございます」

 と、選挙の集票目当てである自身の本音をチラッと垣間見せもした。なお、そのサミットの主催者は東京都医師会であり、会場は東京・御茶ノ水の東京都医師会館だった。

 さらに同サミットでは、次のような超過激な意見も飛び出した。発言の主は、サミット直前の5月25日付で都民ファーストの政策顧問に就任した弁護士の岡本光樹氏(34)である。

 彼はこう言い切った。

「(iQOS(アイコス)などの)加熱式煙草の受動喫煙の研究が遅れている。実際、加熱式煙草で気分が悪くなる、あるいは喘息の発作が起こる方に、人体実験になってしまいますが、目隠しをして、普通の煙草、加熱式煙草、何もないところ、それぞれ比較して発作が起こるかどうか、気分が悪くなるか検証して、エビデンス(証拠)を作っていただきたい」

 厚労省が今国会での成立を目指した受動喫煙防止法(健康増進法改正)案では、加熱式煙草による受動喫煙被害は定かではないと、加熱式煙草を規制対象に含めるかどうか、結論が先送りにされていた。それに不満な都民ファーストの政策顧問である岡本氏は、ならば人体実験をしてみればいいと言い放ったのである。

 小池氏および都民ファーストが禁煙社会を謳(うた)うのは自由ではある。しかし、それを実現するために人体実験せよとは、狂気の沙汰としか言いようがあるまい。まさに目的のために手段を選ばない、究極のファシズムだ。

 これに倣(なら)えば、豊洲と築地のどっちが危険か、それぞれの市場の魚を都民に食べさせ、どれだけ被害が出るかを比べる人体実験を行ってから、移転問題を判断しようということになってしまう。

 結局、6月1日の総決起大会で小池氏が言ったところの「同志」とは岡本氏のような人のことなのである。

 当の岡本氏は、

「人体実験すべきだと言ったわけではなく、提案しただけです」

 と、苦しい弁明。ちなみにこのサミットの4日後に、彼は都議選における都民ファーストの公認候補に決まった。小池氏が、いかに「人体実験の岡本」を買っているかが分かる。

 また同サミットでは、北海道の女性大学教授が、

「(学内の)掘っ立て小屋に喫煙者がみんな集まって来て、そこがガス室状態になっている」

 こう発言し、これを受けた東京都医師会の理事が、

「外から鍵をかけちゃえ」

 と、喫煙者を監禁せよと言っているに等しい応じ方をした一幕もあった。

■監視社会はよい社会?

 人体実験、ガス室、喫煙者監禁……。ナチスを髣髴(ほうふつ)させる危険な物言いである。

 笑い事ではない。何を隠そう、禁煙運動の嚆矢(こうし)は他ならぬナチスなのだ。彼らは国民の健康は個人ではなく「国家のもの」と考えて禁煙ファシズムに走り、そうした偏った「潔癖思想」が最終的にガス室でのユダヤ人虐殺に行き着いたのである。

 非喫煙者である作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏が警鐘を鳴らす。

「人体実験という発想自体が現代的な価値観に全く合っていません。『ガス室』にしても、『鍵をかけちゃえ』という隔離思想にしても、彼らはナチスの歴史をしっかりと学ぶべきです」

 神奈川県の受動喫煙防止条例の見直しに携わり、やはり非喫煙者である東海大学の玉巻弘光名誉教授(行政法)が後を受ける。

「岡本弁護士が今年2月に示した条例案には、家庭や自動車内で継続的に受動喫煙状態にある子どもを見つけた人は通報できる旨が記されています。プライベートな生活を、他人が監視し、公権力に告げ口する社会は住みよい社会でしょうか。子どもの受動喫煙防止が重要であることは論を俟(ま)ちませんが、法律の世界には『法は家庭に入らず』という格言があり、介入方法・限度が重要です。例えば、不健康な食事をしている家庭に公権力が介入すべきでしょうか。家庭内禁煙条例は同種の問題を孕(はら)んでいます」

 都民ファーストの皆さんには、家庭内禁煙や人体実験などと口走る前に、まずは肩の力を抜いて「一服」してみることをお勧めする。

特集「嫌煙ファッショで集票 『小池都知事』が『自宅でも禁煙』都条例をぶち上げた!」より

「週刊新潮」2017年6月15日号 掲載


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