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満腹御礼 ご当地肉グルメの旅 輝く赤身の旨味を堪能できる福島県会津の「桜肉」

2017年06月20日 06時00分
提供:at home VOX

全国各地のウマい肉料理をお腹いっぱい食べ尽くしていく連載「満腹御礼 ご当地肉グルメの旅」。
今回は福島県会津若松市にやってきました。
会津若松市は福島県の中央部にあり、江戸時代には会津藩の城下町として栄えました。平成23年に行われた改修で赤瓦の姿を取り戻した「若松城(鶴ヶ城)」や白虎隊など、江戸・幕末時代にまつわるものが観光客の人気を呼び、年間を通じて多くの人が訪れます。
街のシンボル「若松城(鶴ヶ城)」。全国の現存天守のなかで唯一、赤瓦敷です。
そんな歴史のあるこの地で、よく食べられているお肉があります。それが「馬肉(桜肉)」です。中でもこの地域で食べられる「馬刺し」は絶品だと評判です!
なぜ会津で馬肉が一般的に食べられているのでしょうか? 地元屈指の人気店「鶴我(つるが)会津本店」を訪れ、店長の松島壽子さんに馬肉食の歴史について聞きました。
鶴我会津本店は会津若松市役所のすぐ近くにあります。

松島さん「会津地方では、どこのスーパーにいっても牛や豚と同じように馬肉が売られていて、どの家庭でも当たり前に食卓に並びます。そもそも馬肉を食べるようになったのは、戊辰戦争の頃からと言われています。この地域に集められた傷病者の治療の一環として、精をつけるために馬をつぶし、患者に食べさせていたという記録が残っています。この頃は、生食よりも鍋にするのが一般的だったようです」
「私の自宅でも、食卓に馬肉は並びます」と松島さん。
弱った体の回復を願って、良質なタンパク源の馬肉が食べられるようになったんですね。現在のように、馬刺しとして生で食べる文化が定着したのはいつ頃なのでしょうか?
松島さん「生食をするようになったのは、実は昭和に入ってから。昭和30年頃に、当時大人気のプロレスラー・力道山が地方巡業で会津にやってきました。その際、力道山が試合後に肉屋で馬肉を購入し、持参した辛味噌をつけて生で食べたそうなんです。その姿がとてもおいしそうに見えたことから、会津に生で馬肉を食べる文化が広まったと言われてます」
今では熊本、長野と並び、「日本三大馬刺し」と言われるまでになった会津の馬刺し。まさか、昭和の国民的ヒーロー・力道山がその起源にあったとは、思いもよりませんでした。
会津の馬刺しは、熊本や長野のものと何か違いがあるのでしょうか?
松島さん「会津の馬刺しの特徴はなんといっても『赤身』です。他の地方ではサシ(脂)の入った肉が好まれますが、会津ではサシの一切ない真っ赤な赤身を好んで食べます。薬味も、ショウガやニンニクを添える地方が多い中、会津では力道山の影響で辛味噌をつけて食べるのが一般的です」
それでは実際に、鶴我の馬刺しの代表格と言える「極上赤身」を出していただきましょう!
大ボリュームの「極上赤身」1728円。
濃くて深い、血に近い鮮やかな赤です! そして驚くのはその厚さ。まるでぶつ切りのマグロ。馬刺しでこの厚さは見たことも聞いたこともありません!!
松島さん「当店の極上赤身は、厳選したヒレ肉を使用しているので非常に柔らかく、この厚さがむしろおいしく食べられる厚さなんです」
箸で持ってみるとその極厚さがよくわかります。
肉の旨味を楽しむには、辛味噌は少しずつ付けるのがおすすめ。
店特製の辛味噌を乗せて食べてみると、松島さんの言葉を実感しました。
極上赤身の肉は想像を超えるほどの柔らかさで、噛むと肉の繊維が自然とほぐれていくような感覚です。確かにこの柔らかさなら、薄いと一瞬で口の中から消えてしまうので、このぐらい厚く食べごたえがある方がいいですね。
真っ赤な見た目ですが、臭みは全くありません。新鮮な赤身肉にこだわっていることがよくわかります。辛味噌のニンニクと唐辛子がアクセントになり、馬肉のもつ甘みをいっそう引き立ててくれます。
この辛味噌は、他店でもそれぞれの店のレシピがあり、地元の方はみな、お気に入りの味を決めて味わっているそうです。
驚きの馬刺しを堪能したところで、鶴我の名物メニューをもう一品ご紹介しましょう。それが「桜鍋」です。鶴我の桜鍋はすき焼き風の鍋。肉は、赤身と脂肪の紅白が美しい「フタエゴ」と「上カルビ」の2種類が味わえます。
「さくらカルビ鍋」1620円。
まず鍋に和風出汁とカエシを注ぎ入れ、煮立たせます。煮立ったらそこに肉を入れ、表面が白くなるまで泳がせます。
いい塩梅に色が変わったら、肉に絡みやすいように白身を泡立てた卵につけていただきましょう。
肉表面が白くなったら食べどき。
肉に絡まる卵の照りが食欲を刺激します。
口の中に肉を入れると、まず濃厚な卵の甘みを感じます。そして噛んでいくと、割り下の甘じょっぱい味わいのあとに、じわりじわりと肉の旨味が染み出してきます。
先ほど刺身で食べた赤身と違い、フタエゴはしっかり脂がついているので脂のおいしさも味わうことができます。
また、肉を数枚食べた鍋の出汁には、馬肉の甘みが溶け出しているので、そこに野菜や豆腐を入れることで、馬肉の旨味を余すことなく楽しむことができます。
豆腐や糸こんにゃくが、馬肉の旨味を吸ってよりおいしくいただけます。
刺身にしても鍋にしても、大事なのは肉の質と鮮度。鶴我では、飼育から解体まで一貫した地元で行う「會津ブランド」の馬肉を使用し、毎朝新鮮な肉がお店に届きます。そうでなければ、この新鮮味のあるおいしさは出せないと松島さんは言います。
松島さん「現在鶴我は、本店のほかに郡山駅前店、東京赤坂店の3店舗で営業していますが、2017年7月半ばには、東山温泉の武家屋敷近くに4号店『東山総本山』をオープンさせます。これからはますます、他の地域の方々にも会津の馬肉をお届けできるようになるので、ぜひお近くへお越しの際は会津名物の『桜肉』を食べにきてください」
会津の歴史とともに育まれ、傷病者に振る舞われた馬肉は、いまや生活の中に根を下ろし、会津の食卓には欠かせないものになりました。
ロースやモモなど一般的な部位はスーパーでも購入できますが、今回ご紹介した希少部位「特上ヒレ」や「フタエゴ」はやはり専門店でなければ楽しめません。
これから夏に向けてスタミナをつけていきたい時期ですね!
会津へ訪れた際は、ぜひ専門店で極上の桜肉を堪能してください!
施設情報
●鶴我 会津本店
住所:福島県会津若松市東栄町4-21
電話:0242-29-4829
営業時間:11:30〜14:00/17:00〜22:00、無休(不定休有)
http://turuga829.com/※記事中の情報・価格は取材当時のものです。


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