日刊アメーバニュース

ドラマ『母になる』初回レビュー ――実母からだけではない愛情が子どもの人生を作っていることを描いてほしい

2017年04月19日 10時30分
提供:MAMApicks

4月も後半に入り、今クールのドラマが出揃った。
いつもより気になる本数が多く、あれもこれもと録画予約をしつつ、寝かしつけからの寝落ちと闘ったり、時間のやりくりをしているが、日本テレビ系『母になる』の初回放送がかなりのインパクト大だったので、これは続けて見てみようと決めている。
http://www.ntv.co.jp/haha/

3歳の時に誘拐事件に巻き込まれた息子、広(コウ)と離れ離れになってしまった母親、結衣を沢尻エリカさんが演じている。9年後に、息子が生きていたことを知らされ、再会する結衣と広――。


そしてそれまでの間、広を育てていたのは、小池栄子さんが演じる麻子という女性。
9年間の空白を結衣と広は埋められるのか、実母である結衣と、育ての母とも言える麻子が、広を介してどのように接していくのかが見どころだ。

最初は沢尻エリカさんが出るドラマを見るのは久しぶりだな、ちょっとテーマは重そうだけど、とりあえず見てみるか、と軽い気持ちだったのだが、初回を鑑賞してみて「ちょっとエラいもんに手を出してしまったな……」という気分だ。

3歳の広が幼稚園の帰りに、何者かに連れ去られ姿を消してしまうシーンから、心臓がバクバクする。たとえフィクションでも子どもが事件に巻き込まれるのを見るのは堪えるものだ。

子どもの成長は早い。1日や1週間はそれなりに長くて、「まだ水曜日か~早く週末にならないかな」とか思うのだけれど、1ヵ月、年単位で見ると、ものすごい早さで経過していくのが不思議なもので、とくによその子に対しては、「あっという間に大きくなるねー」と言ってしまう。

筆者の娘も保育園の年中クラスに進級して、まだまだ先のことだと考えていた小学校入学も、意外とすぐにやってくるんだろうな、そしたらまた中学入学まではもっと早く感じてしまうんだろうな、と考えるようになった。

だけど、子どもと会えない状態での9年間を「あっという間」と捉えられる自信はない。

結衣が広と離れていた9年間について、劇中では描かれなかったものの、想像するだけで胃が痛くなる。

子どもを夫に預けて同窓会に出かけたときに、久しぶりに飲むお酒や温かいうちに食べるラーメンが美味しくて、「子どもを産むのが早すぎたかな、子どもがいない人生もいいな」と思ってしまったことを悔みながら、結衣が「広に会いたい」と泣くシーンは、こちらの涙腺も崩壊してしまうほどの威力があった。

子どものいない人生にはもう戻れないし、本心から戻りたいわけではないけど、選ぶことができたかもしれないもうひとつの道を思い描いてしまったことは誰にでもあるだろう。それをこんな形で悔やまなくてはいけない結衣の涙に胸が張り裂けそうになった。

9年間会えなかったからと言って、結衣から広への愛情が薄れているわけではない。きっと片時も忘れたことはないだろう。

一方、広はどのように過ごしてきたのか。もちろん最初は、両親を恋しがって泣き、脅えていただろうけど、麻子と出会ったことで、寂しさは紛れたのだろうか。


以前レビューした、『彼らが本気で編むときは、』『永い言い訳』『はじめまして、愛しています。』は、いずれも血の繋がりのない大人と子どもの絆を描いた作品だ。

たとえ血の繋がりがなくても、生活を共にしていくことで生まれる信頼関係は確実にあるだろうと信じているので、麻子と広にも、本物の親子と変わりない愛情が芽生えているのだろうと推測している。

ちなみに麻子役の小池栄子さんは、『彼らが本気で編むときは、』では、性的マイノリティである主人公たちに嫌悪感を抱く保守的な母親を演じていて、子どもの教育に対する狂信的な姿勢は恐ろしさも感じるほどだったのだが、本ドラマで広に対する優しく愛情に満ちた笑顔を浮かべていたのは、ものすごく振り幅が大きくて、同じ女優さんが同じ「母」を演じてもこんなに違うのかと驚かされた。

しかし、麻子は広を保護はしたものの、通報せずに自分のところにかくまっていたということが予想される。

ここは何かワケありなんだなということが分かるし、角田光代さんの小説『八日目の蝉』を彷彿とさせるミステリアスな部分だ。

(ちなみに『八日目の蝉』の映画化作品にも小池栄子さんが出ているので、『母になる』は私にとっては完全に小池さんが中心になってしまった)

息子が誘拐されたことにより、夫との関係まで壊れてしまい、大切なものをたくさん失った結衣が、広と再会して幸せを取り戻してほしいと願わずにはいられないが、単純に「実母対育ての母」、という構図をフィーチャーして白黒をつけるのではなくて、広の立場に配慮したドラマであってほしい。

子どもの成長に必要なものは母親からの愛情だけではない、それ以外の家族や、友人や、身の回りの人たちの関わりが、広の人生を作っていくことを描いてほしいなと希望を抱いている。

初回であまりに泣かされてしまったので、2回目以降もティッシュを近くに置いて臨むつもりだ。翌日は目が腫れるのも辞さぬ覚悟で、今後の展開を見届けたい。

なお、本ドラマは第1話から最新話までHuluで配信中。
http://www.hulu.jp/my-son

真貝 友香(しんがい ゆか)真貝 友香(しんがい ゆか)
ソフトウェア開発職、携帯向け音楽配信事業にて社内SEを経験した後、マーケティング業務に従事。高校生からOLまで女性をターゲットにしたリサーチをメインに調査・分析業務を行う。現在は夫・2012年12月生まれの娘と都内在住。

「ドラマ『母になる』初回レビュー ――実母からだけではない愛情が子どもの人生を作っていることを描いてほしい」記事詳細はコチラ


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