日刊アメーバニュース

冬のコミケ開幕へ…ところで「二次創作」って著作権侵害にはならないの?

2016年12月28日 22時41分
提供:シェアしたくなる法律相談所

12月29日から冬のコミックマーケットが開幕しますね。昨今はその注目度が増しており、東京ビッグサイトには日本からはもちろん、世界から多くの人々が集まります。
様々な問題も指摘されていますが、やはり参加するのは楽しいものです。今年はあの叶姉妹も参戦を匂わせるなど有名人も注目。企業も出展しており、その規模は年々大きなものになっています。
そんななか、重大な問題とされているのが権利の問題。既存のキャラクターを使用して創作された作品、いわゆる「二次創作」については著作権を侵害しているのではないかとの指摘があります。
コミケの根幹を揺るがす問題だけに、気になるところ。一体現行の法律ではどのような解釈になるのでしょうか? パロス法律事務所の櫻町直樹弁護士に見解を伺いました。
 
二次創作は著作権の侵害になる?
二次創作は著作権の侵害になるのでしょうか?
「コミックマーケット、いわゆる「コミケ」で販売されている雑誌には、商業作品として発表されている漫画やアニメのキャラクターを利用して描かれた作品が掲載された「(漫画・アニメ系)同人誌」と呼ばれるものがあります。
漫画等に出てくる(具体的な絵として表現されている)キャラクターは、「美術の著作物」(著作権法10条1項4号)にあたると考えられていますから、著作権法の保護の対象となります。
ですから、例えば、漫画等のキャラクターを著作権者に無断で利用した作品を同人誌に描き、それを販売することは複製権(著作権法21条)を侵害する違法な行為になりますし、無断でキャラクターの画像をインターネット上に掲載すれば公衆送信権(著作権法23条)の侵害になります。
また、キャラクターを改変することは、翻案権(著作権法27条)侵害になります(ただし元になったキャラクターが持つ「表現形式上の本質的な特徴」を感じられるかどうかという観点からみて、単にアイデアが共通しているにすぎない場合や、ありふれており創作性が認められない部分が似ているにすぎないような場合には、著作権侵害が否定されることもあります)。」(櫻町弁護士)
どうやら既存のキャラクターをそのまま複製し販売することや、ネットに流す行為は、著作権の侵害になるようです。逆に、「ちょっとあの作品と似ているなあ」くらいのレベルであれば、侵害にあたらないようです。
 
自分の趣味で書くレベルなら問題なし
さらに櫻町弁護士に、二次創作物の著作権侵害の現状についての意見を聞いてみました。
「好きなキャラクターを自分が趣味で描くこと自体は、何ら問題ありません。
しかし、それを不特定多数に公表したり、さらにはそれによって利益をあげるという形になってしまえれば、そうした行為が著作権侵害にあたることは当然と思います。
現状は、そうした行為について都度著作権者が差止めや損害賠償等を求めることが時間・労力・コストがかかり、困難な場合もあることから「黙認」されているに過ぎないといえます。
他人の著作物に対する尊敬の念があれば、きちんと許諾を得て利用するというのが、創作に携わる人が最低限守るべきことなのではないかと思います(例えば、キャラクターの認知度が高まるから著作権者にとってもメリットがあるという意見は著作権者が言うなら理解できますが、利用している方が言うものではないと思います)。
例えば一案として、著作権者の許諾を得るということがスムーズにできるように、楽曲を管理しているJASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)のような、キャラクターの著作権について一元的に管理し、利用者からは著作権料を収受、それを著作権者に支払うという仕組みがあるとよいかもしれませんね。」(櫻町弁護士)
現在の状況は「黙認状態」で、原作をそのまま複製した作品を販売し利益をあげたり、ネットで公開するなどの行為は原作者が訴えを起こせばやはり著作権侵害として損害賠償を請求することができるようです。
櫻町弁護士もおっしゃられていますが、アニメなどキャラクターの著作権を一元管理する組織があってもいいかもしれませんね。
 
*取材協力弁護士:櫻町直樹(パロス法律事務所。弁護士として仕事をしていく上でのモットーとしているのは、英国の経済学者アルフレッド・マーシャルが語った、「冷静な思考力(頭脳)を持ち、しかし温かい心を兼ね備えて(cool heads but warm hearts)」です。ブログ「ネットイージス.com」)
*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)
【画像】イメージです
*naonao / PIXTA(ピクスタ)
【関連記事】
*無断転載されたのに…「NAVERまとめ」の削除依頼対応はどこが問題か、弁護士が解説
*「Googleストリートビューはプライバシーの侵害に当たるのか」弁護士が解説してみた
*弁護士に対する名誉毀損が成立し損害賠償命令が…「スラップ訴訟」とは何か?
*書籍電子化の「自炊」代行業者が国内初逮捕…個人でも実は違法な2つのポイントとは?
*DeNAの医療メディア「WELQ」が全記事非公開に…法的には何が問題だった?
【関連記事】
「グレーだと意識することが著作権トラブルの対策に」…ITスキルに長けた弁護士が警鐘
速度違反で「オービスに撮影」されて呼び出し状が…無視し続けるとどうなる?
【意外と知らない道交法】雪の季節なのにノーマルタイヤのまま…これって交通違反?
2人きりの食事もアウト?「浮気成立のボーダーライン」を弁護士が解説
SNSのアニメキャラアイコンもNG!? 現在注目を浴びている「著作権」の考え方

ログインしてコメントする

アメーバ会員登録(無料でカンタン)

Facebookのコメント

コラムアクセスランキング

  1. 1100年の恋も冷める!? こんな女は「デートに誘えない」と思われる決定的な原因3つ写真6 1月17日19時00分
  2. 2思わず凍った! 義母が放った衝撃の一言23 1月15日20時50分
  3. 3もう一人子どもが欲しい! でも……妊娠を諦めたママたちの理由って?12 1月17日20時50分
  4. 4夫が「うれしい朝LINE」と「うれしい夜LINE」5つ写真6 1月15日21時00分
  5. 5「一緒にいて楽」はただの友達?実は脈ナシだった男性のセリフ5選写真11 1月16日19時00分

ランキング

記事配信のポリシーについて

TOPへ戻る