日刊アメーバニュース

元気なときは動物園へ、心が沈んだら水族館へ行きたくなりませんか?

2016年03月10日 11時00分
提供:フムフム

誰もがそうだとは言わないが、私の場合は、心身ともに元気なときは、動物園に行きたいと思い、そして、出かけていく。
反対に、嫌なことがあったり、心が沈みこんでいるときは、動物園ではなく、水族館に行きたくなる。
水槽の前でぼーーっと半日、過ごしていると、元気が出てくるような気がするのだ。
それがなぜか自分でもよくわからないままに、「今日は動物園に行くぞ!」と、思ったり、「今日は水族館の気分だなぁ」と、呟いたりを繰り返してきた。


動物園が好きな息子

幼ない頃、息子は動物園に行きたがる子供だった。
カバを見るのが大好きだったのだ。
当時、私たち一家は名古屋の東山動物園の近くに住んでいたので、よく動物園に出かけた。
少々、機嫌が悪い日でも、息子は動物園に行くと、のびのびと走り回り、夜もぐっすり眠った。新米の母親にとって、動物園は何よりの助け手となった。

病院通いと水族館

小学校に入る前、息子はちょっと病気をした。
しばらく入院し、健康を取り戻したが、その後も、何回か検査に出かけなければならなかった。
あまり病院に縁がなかった私たち親子にとって、病院はつらい場所だった。とりわけ小児専門病院は・・・。
重病のお子さんを抱きかかえるお母さんの疲れ果てた顔。
検査結果を聞いて、泣き崩れる人。
私は無理に明るくふるまおうとしては、うまくいかず、空回りし、息子に「ママ、元気出して。ボクは大丈夫だよ」と、慰められたりしていた。

水族館?動物園じゃなく?

私はそんな息子が不憫で、病院を出るや、「どこかでおいしいものでも食べて行こうか?」「どこでも好きなところに連れて行ってあげる」と、誘わないではいられなかった。
それなのに、彼は、食欲がないのか、「何もいらない。どこにも行きたくない。お家に帰りたい」と、首を振る。
ところが、何回目かの診察のあと、「水族館に行きたい」と言うではないか。
「水族館?動物園じゃなくて?」と、私は尋ねた。息子は動物園派だと思っていたからだ。けれども、彼はしっかりと、「水族館がいい」と、答える。
私は嬉しかった。どこでもいいのだ。行きたいとねだってくれるのが嬉しかった。

息を潜めながら

「水族館でも動物園でも、寿司屋でもフランス料理屋でも、どこでも行きますよ、行きたいところに行きましょう」と、私は張り切りまくり、水族館に向かった。
病院から帰る途中に、須磨海浜水族園という大きな水族館があったのだ。
平日の昼下がりである。水族館はすいていて、静かだった。
子供たちのはしゃぎ声も、引率の先生の声もない。
息子もあまり口をきかない。
私たちは息を潜めながら、大きな水槽の前をそろそろと歩いた。そんなはずがないのだが、水の中を移動しているようだった。

眠るラッコ

その水族館は、ラッコの展示で有名だった。
初めて目の前で見るラッコである。
興味津々で見物したのだが、じっとしていて動かない。胸の前で手を組んだまま、プカプカ浮いているだけだ。
お腹の上で、貝をたたき割ると聞いていたのに、何もしない。
「なんか土左衛門みたい」と、私は思ったが、もちろんそんなことは言わなかった。
その時、息子がラッコを見て何を思っていたのかわからない。
彼はただ黙ってじっと見ていた。
そして、「寝てるね」という感想を述べ、「もう帰る」と、水槽に背を向けた。
結局、他の展示はほとんど見ないで帰宅することになったが、「面白かった」と、満足していた。
その頃を境に、息子はぐんぐん回復し、顔色もよくなっていった。
検査もごくたまになり、病院の帰りは、水族館ではなく、お寿司屋さんに行きたがるようになった。

水族館を連チャンするわけは?

あれから30年近い月日が経ち、息子は独立し、家を出ていった。
自然と、水族館や動物園は縁遠い場所になっていたのだが、なぜかここのところ立て続けに水族館に出かけている。
一度は東京にある葛西臨海水族園に、有名なマグロの水槽を見に行った。
もう一度は、大阪の天保山にある海遊館に出かけた。ここはジンベイザメで有名だ。
自分ではとりわけ心が弱っているとは思わないが、動物園よりも水族館の方が、今の私にはしっくりくる。休まるのだ。

自分自身をのぞいてみよう

不思議なもので、久しぶりに水族館に行ってみると、毎週でも行きたくなる。
同時に、動物園で楽しく過ごしたこれまでの日々も思い出す。
できることなら、まだ行ったことのない動物園や水族館に行きたいなと思う。
『進化する動物園・水族館』(児玉敏一・著/中西出版社・刊)には、たくさんの動物園と水族館が紹介されている。
著者は特徴的な試みを行っている場所を訪問しては、話を聞き、写真を撮り、1冊の本にした。
日本では、1882年、恩賜上野動物園の一角に作られた水族館が一番、古いというが、その展示室は、観魚室=うをのぞきと、名付けられていたそうだ。
うをのぞき、なんて素晴らしいネーミングだろう。
うをのぞきもいいし、獣のぞきでもいい。
その日の気分に合わせて、数々の水族館と動物園を訪問し、自分自身の人生をのぞいてみたい。
(文・三浦暁子)
 

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