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百田尚樹氏最新作が物議を醸す 『永遠の0』を超えた最高の問題作

2016年03月04日 12時05分
提供:デイリー新潮

『永遠の0』『海賊とよばれた男』等のベストセラーで知られる百田尚樹氏は、発言や著作でこれまでに数々の共感や感動と共に、様々な物議も醸してきた。

 今回も例外ではないのかもしれない。

 2月26日に発売された最新刊『カエルの楽園』もまた、発売早々、議論を呼んでいるのだ。

■寓話か風刺か

 物語は、アマガエルのソクラテスとロベルトが、天敵に襲われる恐怖と隣り合わせの祖国を捨て、安住の地を求めて旅に出るところから始まる。道中、様々な困難にぶつかりながらも、ついに理想的な国「ナパージュ」に辿り着いた二匹は、ナパージュのカエルたちから良いところを学んで、祖国に帰ろうと決意する――と、こう書くとカエルたちの冒険と奮闘を描いたほのぼのストーリーのようにも思えるが、読者からのレビューにはそういう色合いはまったく見られない。

 たとえばアマゾンのレビューを見てみると、

「現代の憲法論争、集団的自衛権の問題点、最近頻繁にTVに出演する偽評論家等を想起させる」
「教科書問題、捏造大虐殺、少数派の絶叫による陽動、日本国憲法、憲法第九条や少子化!など悲しいほどに丸わかり」

 といった調子で、一見カエルとは関係なさそうな評ばかりが並んでいるのだ。

 中には、「ドナルド・トランプが大統領になったらどうなるのかを考えさせられた」といった意見も。

 なぜカエルの話なのに、こうした感想が寄せられているのか。

 それは、本書が読むうちに、「このカエルはあの人に似ている」「この運動は、あの市民運動とソックリ」といった風に連想がしやすい作りの、一種の風刺小説になっているからだろう。

 実際、子どもが読んでも楽しめるお話ではあるものの、大人が読むとまったく別の読み方もできるような仕掛けとなっている。読んだ人からは、ジョージ・オーウェル(『動物農場』)やジョナサン・スウィフト(『ガリバー旅行記』)を連想した、という声も挙がっている。

 百田氏自身は、この作品について、

「書いていてこれほどの手応えを感じたのは『永遠の0』『海賊とよばれた男』以来。これは私の最高傑作だ!」と語っている。

「最高傑作」であると同時に、「最高の問題作」となるのかもしれない。

デイリー新潮編集部


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