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脳への電気刺激で「美しさ」を感じなくなる? 慶應大、人間の芸術理解に迫る研究発表

2016年02月11日 11時30分
提供:Aging Style

脳の前頭前野に電気刺激を与えると、鑑賞していた絵画を美しく感じなくなる――そんな驚きの研究結果が、慶應義塾大学文学部の川畑秀明准教授らの研究チームによって発表された。

これまでの研究で、芸術絵画を鑑賞している際、脳の正面側にある、認知行動や人格形成、社会性の調節に関わっているとされる前頭前野(前頭前皮質とも)内側で、脳神経活動が活性化することが明らかになっていたが、その状態によって主観的な美しさの感じ方、「美的経験」が変化するかどうかはわかっていなかった。

今回の研究では、まず、健康な成人47人(平均年齢21歳)に、20世紀の抽象画90点を鑑賞してもらい、美しさの程度を「1(まったく美しくない)」から「9(とても美しい)」までのスコアで採点してもらい、その真反対の意味にあたる醜さの程度を「1(まったく醜くない)」から「9(とても醜い)」までのスコアで採点してもらった。

さらに、被験者を3グループに分類。一方のグループには「経頭蓋直流電気刺激」という、頭蓋上から15分程度、前頭前野が活性化しやすいように2ミリアンペアの微弱な直流電流を通電する電気刺激を受けてもらい、また別のグループには前頭前野の働きが鈍くなるように電気刺激を受けてもらった。さらに刺激を受けていないグループと共に再度絵画を鑑賞し、採点させた。

その結果、電気刺激を受け、前頭前野が鈍くなったグループでは、絵画に対する「美しさ」の平均スコアが最初の採点に比べて低下し、美しく感じなくなる傾向にあった。ただし、「醜さ」の平均スコアには変化はなかったという。刺激を受けていないグループでは採点に変化はなかった。つまり、ふだん私たちが感じている「美」と「醜」という対立軸は脳の中には存在せず、むしろその2つは両立しうるものであることが考えられるという。

発表はオープンアクセスの神経科学分野学術誌「Frontiers in Human Neuroscience」に、2015年12月8日掲載された。



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