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2016年を「花粉症撲滅元年」へ! 舌下免疫療法に高まる期待

2016年02月09日 10時00分
提供:マイナビニュース

●国民の4人に1人が花粉症と考えられる時代

東京都健康安全研究センターはこのほど、東京都内にて「第10回 花粉症予防・治療シンポジウム」を開催。日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部・感覚器科学分野の大久保公裕教授が「花粉症予防と対策及び治療に関する最新の話題」との題で講演した。

○30~50代だけで1,200万人の患者

大久保教授はまず、スギ花粉症有病率について説明。スギのアレルギーに悩む人は増加しており、全国平均で26.5%もいるというデータもある。さらに花粉の有病率を1998年と2008年で比較すると、ほぼすべての年代で患者が増えているという。

「花粉症は低年齢で発症しやすくなっており、高齢になっても花粉症の症状が残るというのが今の有病率の状況です。スギ・ヒノキの花粉症は30代、40代、50代にピークが来ますが、『総務省人口推計月報』の数値に有病率を掛け合わせると、この世代だけでスギ花粉は1,200万人もいると考えられます」。

もはや「国民病」とも呼べる花粉症の対策として最も簡単に挙げられるのが、「抗原の除去と回避」だ。

■花粉情報に注意を払う
■飛散の多いときの外出を控える
■飛散の多いときは外出時にマスクやめがねを着用する
■帰宅時は衣服や髪をよく払ってから入室する
■部屋の四隅など、花粉がたまりやすい場所の掃除を励行する。

これらの行動を日ごろから意識的にしておくだけで、アレルギーのつらさを一定量は低減させることが可能だ。当たり前のことかもしれないが、意外とできていない項目がある人もいるだろうから、まずはこれらの行動を実践してほしい。

○短いシーズンも、積み重ねれば膨大な年月に

一方で、治療法として考えられるのが薬物療法。花粉症は毎年、一定の期間しか患者を苦しめないため、薬で目のかゆみや鼻水、鼻づまりなどの症状を緩和させている人も多いはずだ。だが、毎年の積み重ねは膨大な薬量と金額につながる。

例えば、5歳で花粉症を発症し、65歳まで症状が続いたと仮定しよう。スギ花粉ならば、一般的に飛散量が多いのは2~4月だ。その3カ月間、毎日薬を使用したと考えると、60年間の4分の1にあたる15年間も薬に投資する生活をしている計算になる。考えただけでも恐ろしい数字だ。

そこで近年、花粉症の根本的解決を目指す治療法として「免疫療法(減感作療法)」が知られるようになってきた。対症療法の薬物療法とは異なり、免疫療法は"治癒"が期待できる治療法で、中でも「舌下免疫療法」が注目を浴びている。

●高い治療効果が見込める舌下免疫療法
舌下からスギ花粉アレルゲンが認識されて、口腔・咽頭などのリンパ節で反応。アレルゲンを認識して、「制御性T細胞」の増加を介することで、抑制系の免疫誘導を促すという効果発現機序だ。

具体的には、スギなどの抗原エキスを舌の下側(舌下)に滴下する。そして、一定時間その状態を保ったあとで飲み込む。この行為を何度も繰り返すことで自らを抗原に慣れさせていき、重症化を抑えるというものだ。免疫療法に関する正しい知識が必要となるが、自分の手で"治療"を行えるため、通院しないですむし保険も適応される。

○免疫療法終了後も効果が持続

舌下免疫療法を通じて症状が緩和された臨床試験例も報告されている。花粉症患者531人を対象とした試験では、「シダトレン」(スギ花粉エキス舌下液)とプラセボのいずれかを、スギ花粉シーズン1年目(第1シーズン)の約9~20週間前(中央値18.9週間)から投与。スギ花粉シーズン2年目(第2シーズン)が終わるまでの最長83週間にわたって、1日1回、舌下に滴下した。参加者は2分間後に飲み込み、その後5分間はうがいと飲食を控えていた。

その結果、「シダトレン滴下群」は舌下免疫療法を開始してから迎えた第2シーズンにおいて、目と鼻の症状が有意に改善されていた。さらに、治療をやめた第3シーズンにおいても、「治療効果が持続している」と「やや治療効果が継続している」と感じた人が計69.9%もいたという。

「免疫療法は薬で(症状を)抑えているのではなくて、皆さんの体の花粉に対する反応が変わるというもの。自分の細胞自身が変わってくるし、見た目にも効果があります」。

○2016年を「花粉症撲滅元年」にする

重度の花粉症ともなると、普段どおりの生活を過ごすのは困難なため、患者は相当のQOL低下を毎シーズン強いられることになる。

舌下免疫療法は数年間にわたり毎日、舌下に抗原エキスを投与しなければならないため、患者には根気が求められる。それでも、「生きているのも嫌になる」ぐらいのレベルの花粉症に悩まされている人にとっては、試す価値は十分にあると言えるはず。2016年を「花粉症撲滅元年」とするためにも、舌下免疫療法という言葉を知っておいて損はないだろう。

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