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写真集刊行! フォトグラファーJulie Wataiiインタビュー「プロの本気の自撮りができたと思います」 [オタ女]

2016年02月05日 22時00分
提供:ガジェット通信



電子機器に囲まれたセルフ・ポートレートや、カラフルポップなCG加工した作品など、独自の世界観でコアな人気を誇るフォトグラファー・Julie Wataiiさん。四作目となる待望の写真集『トーキョー・フューチャー・クラシック』(DU BOOKS)が2016年2月5日に刊行となります。

『オタ女』では、そんなJulieさんにインタビューを実施。写真集の見どころや、フォトグラファーとして活動をしていく転機などお話をお伺いすることができました。その奇想天外なイメージはどこからやってくるのか、その発想の源泉を知りたいという人はぜひご覧ください。

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ーー今回の『トーキョー・フューチャー・クラシック』は、ご自身4冊目の写真集ということで、集大成的な内容だと思います。まずは刊行されるにあたって、どういう思いが込められているのかお聞かせ頂ければと思います。

Julie Wataii(以下、J):これまではモデルさんを撮影した写真もいくつも含まれていたのですけれど、今回はすべてセルフ・ポートレート。だから究極のセルフィ、自撮りですよね。今、自撮りって流行っているじゃないですか。

ーー日本だけでなく、世界中で流行っていて、多くのスマートフォンのカメラにも機能が搭載されていますね。

J:スマホのインカメラでほとんどの方はパパっと撮影しているのだと思うのですけれど、この写真集での自撮りは、一眼レフカメラを使って、ライティングもしっかりと調整して、パソコンの加工まで全部ひとりでやっています。

ーー究極というからには、機材も究極で、ということですね。

J:そうですね。プロ仕様の一眼レフでとって、シャッターは赤外線のリモコンを使って……。画像加工も、スマホの自撮り用のアプリがいろいろありますが、私は『Photoshop』を使ってがっつりと。プロのカメラマンとして10年やっているので、プロの本気を見せられたと自負しています。

ーーJulieさんには2010年の『はーどうぇあ・がーるず』(コノハナブックス)のような、楽器や電子機器の中に女の子がいる、といった作品が印象深いですが、このようなイメージはどういったところからインスピレーションを得ているのでしょうか。

J:今回の写真集にも、パワーローダーだったり、ロボットやアンドロイドだったり、いろいろな素材が出てくるんですね。もちろんそれらは単体で撮ってもむちゃくちゃかっこいいものなんですけれど、「上手い見せ方がないかな」というところで自分が入ってくるんです。やっぱり私はポートレートが好きで撮りたいので、どういう見せ方をすると良いか、というところから広げていきます。ポートレートも好きですけれど、私自身モノが好きな人間なんです。

ーー例えばパワーローダーだったなら、ご自身が作品を構成するパーツとして入っていく、という感覚なのでしょうか。

J:そうですね。だからポートレートではあって、人物はもちろん必要なんですけれど、私の中では構造の一部という扱いですね。モノそのものを引き立てるためのキャラクターということはいつも考えています。

ーー作品を拝見していると、Julieさん自身もアンドロイドっぽさが出てくるじゃないですか。自分自身が機械化したいといった願望もある?

J:したいですね! 『Photoshop』実装したい(笑)。

ーーそういったあたりも未来っぽいです(笑)。写真集の中には、ショートストーリーも入っていますよね。

J:インターネットでアップしていたものを、今回まとめて収録したのですが、もともと細かい設定があって。(物理学・宇宙科学の研究者の)マルコ・カソリーノさんに設定と写真を渡してストーリーを作って頂きました。アンドロイドのアスナと私の物語なのですけれど、ネットで見て気になっている方ならば、違った見方ができるのでは、と思っています。

ーーなるほど。今回の写真集に「東京」とあえて名付けた意味も教えて下さい。

J:東京ってカルチャーが細分化されていて、それぞれのファンに居場所があると思うんです。細分化されたカルチャーが一緒くたにこの本に集まっていて、それが同時期にこの東京という街にあるということを表現できたかな、と思って最終的にこのタイトルになりました。

ーーちょっと今回の写真集とは離れて、Julieさんが写真、それもセルフ・ポートレートという表現に行き着くまでのお話も伺いたいのですが。まずはカメラを触るきっかけからお願いできればと思います。

J:実家にたまたま一眼レフカメラがあったのですけれど、当時の私は本当にオタクで、同人誌を作っていたんですね。その頃のコスプレイヤーはみんな使い捨てカメラで撮っていたんですよ。彼女たちを一眼レフカメラで撮ってあげて、「キレイに撮れたよ」とプリントした写真をあげたら、すごく喜ばれたんですよね。それがポートレートばかり撮るようになったきっかけです。

ーーフォトグラファーとしてやっていこう、と思ったのはどういった理由から?

J:同人をやっていたので、ずっと絵を描いていて、それで食べていきたいという淡い願望があったのですけれど、コミケとかに出ていると、売上とかで目に見えて無理だと分かるじゃないですか。趣味でそれを続けていくのか、というところにはずっと葛藤があったのですけれど。でも、コスプレイヤーのキレイな写真を撮ってくれるカメラ小僧はあまりいなかったので、すごく重宝されたんです。ここが私の居場所かもしれない、と思って。写真ならば画力がなくても現実にあるものを撮って、パソコンで『Photoshop』が使えれば、それをコラージュして合成できるわけで、そこを上手く使っていこうと思い始めてから自己表現としての写真を撮るようになりました。

ーー24歳でイタリアに渡って、『SAMURAI GIRL』(DRAGO&ARTS)を出版された頃には、ご自分で表現の武器を見つけることになったのでしょうか?

J:『SAMURAI GIRL』の表紙の写真、「Game Center Kittis」という名前なんですけれど、戦闘美少女をイメージしたキャラクターを作った上で撮ったものなんですよ。コスプレっぽいけれど、どのキャラのコスプレでもなく、オリジナルキャラ。その写真は自分がオタクであるところや、コスプレイヤーを撮ってきたということから考えて作り上げたものなのですけれど、いろいろな人に見せて一番反響があったんですね。これは何か特定の人を惹きつけるものがあるのかもしれないと、プロといしてやっていくきっかけになった一枚ですね。

ーーそのあとも『はーどうぇあ・がーるず』があり、ガジェットとJulieさんみたいな感じの組み合わせのイメージが強いですよね。そういうモチーフはJulieさんのオタク趣味とつながっているのでしょうか?

J:そうですね。私、コレクターになりたかった人なんですよ。ゲーム機や音楽機材のデザインってかわいいじゃないですか。使いこなせなかったりするのにガジェットもデザインで欲しくなったりします(笑)。でも、それを写真で撮ることで、自分の中の世界観に入れると満たされる部分があるんです。

ーーある意味、たくさんのガジェットの中に女の子がいるって、夢のような世界観ですよね。

J:そう! 私の中でも、あれが夢なんです! 現実では絶対にありえないじゃないですか? 今ではそういう写真も増えてきましたけれど、当時はなかったんですよ。すごくオタクっぽい部屋に女の子がビキニでなぜか寝ているとか。『攻殻機動隊』のマンガで、怪しい科学者の研究室に、ものすごい美女のアンドロイドが2体寝そべっているシーンがあって、「最高だな」と思って。そういう空間を目指したというのはありますね。

ーーなんとなく、『ブレードランナー』のような一昔前のSFの匂いというか、ノスタルジーも感じられます。

J:今のSF映画を見ていると、整然としていて、それがリアルなんですけれど、私はどちらかというとレトロ・フューチャーの方が好き。だから今回のタイトルも『トーキョー・フューチャー・クラシック』。昔のSFや絵に影響を受けているので、ありえない未来が好きですね。

ーーJulieさんがこれまでお作りになってきた世界観が満載されている『トーキョー・フューチャー・クラシック』ですが、どのような人に見てほしいと思っていますか?

J:女性に見てほしいです。もしかして自撮りというところで共感してくれるかもしれないですし。この写真の中にあることを全部理解できない人もいると思うんですけれど、そういう人にも見てほしいですね。すごく不思議なモノのように映ると思うんですよ。今回の写真集は最後のインディックスページで解説もしてあるので、「私の知らないところでそういう東京もあるんだ」と楽しんでもらえたら一番嬉しいですね。

ーー興味深い話がたくさんお伺いできました。ありがとうございました!


●イベント情報

『トーキョー・フューチャー・クラシック』出版イベント開催

日程:2016年3月4日(金)19:30~
場所:HMV&BOOKS TOKYO 6F イベントステージ

スペシャルゲストとの制作秘話などを楽しんで頂いた後、サイン会を予定。
また、HMV&BOOKS TOKYOでご購入の方のみに、Julie特製ステッカーをプレゼントしています。

お問い合わせ:HMV&BOOKS TOKYO 03-5784-3270(11:00-23:00)


●書誌情報
トーキョー・フューチャー・クラシック JulieWatai 作品集

著者:Julie Watai
ISBN:978-4-907583-76-7
価格:本体2000円+税
発売:2016年2月5日
判型:A5/オールカラー112頁・並製
発行元:DU BOOKS
発売元:株式会社ディスクユニオン



JulieWatai.jp – Julie Watai artworks(公式サイト)
http://juliewatai.jp/

『Twitter』(@JulieWatai)
https://twitter.com/JulieWatai [リンク]


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