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3人に1人が「胎内記憶」を持つって本当?第一人者に聞いてみた

2016年02月07日 03時01分
提供:Suzie

池川明先生は、「赤ちゃんには胎内にいた頃の記憶がある」ということを前提にお産の現場で活躍されている産科医・医学博士です。

著書『人は生まれ変われる。前世と胎内記憶から学ぶ生きる意味』は、全国のお母さんたちに広く支持され、ドキュメンタリー映画『かみさまとのやくそく』にもなり、現在も上映中。

実際の成果としては、胎児との関係を大切にするお産をこころがけるようになってから、その後1年ほどで、救急搬送がグンと減ったといいます。

池川先生の行った調査によると、胎内記憶を語ったことのある子どもは、全体の33%。つまり、3人にひとりということ。

知れば知るほど不思議な世界です。そこで池川先生にお会いして、いろいろとお話を伺ってきました。

■口止めされている「胎内記憶」

池川先生は、胎内記憶をお産に活用させた、いわば第一人者です。

まず「科学が主流とされる医学界において、相当勇気のいることだったのでは、と思うのですが……」とお聞きすると、「勇気はいりません。興味だけ。だって楽しいもの。子どもが“おなかのなかで泳いでいた”とか“おかあさんに会いたかった”とかいうんですよ。ワクワクしますよ」とのお返事が。

胎内の赤ちゃんに話しかけることが大切、なんてことは、決して昨日、今日にいわれはじめたことではありません。

しかし、胎児のときに外の音をちゃんと聞いていて、実際に見てきたようにあとから話す子もいる、という「胎内記憶」のエピソードには、拒絶反応を示す人もまだいるでしょう。

たしかに、10年前まではかなり向かい風だったそうです。それがここにきて、あまり批判する人はいなくなってきたといいます。

その理由をおたずねしたところ、「彼らの子どもが胎内記憶をしゃべりだしたんじゃないですかね」というユニークな回答が返ってきました。

「子どもが3人いたら、ひとりは絶対しゃべりますからね」

それにしても、胎内記憶の話は聞いていて、本当におもしろかったです。

たとえば、しゃべってくれない子どもについてお聞きしたところ、「どうやら口止めされているみたいなんですよね。たまにしゃべったあとで、“あっ!”と口を押さえる子とかいるんですよ」とのこと。

いったい誰に口止めされているんでしょう?

さらに、興味本位で聞かれることを、子どもはとても嫌がるそうです。

■胎内記憶で子育ては楽しくなる

そして池川先生は、クリニックに奥さんと一緒にくる旦那さんにときどき聞くそうです。

「抱っこした時に、泣かれたい? 笑ってもらいたい?」

もちろん、生まれてくる我が子に笑ってもらいたくない親なんて、そうそうはいませんよね。

池川先生のクリニックでは、胎内記憶についての会話はもちろん、産前の胎児とのコミュニケーションが産後の子育てに与えた影響の実例が、いくらもあるといいます。

たとえば、10ヶ月お腹のなかにいるときに、まったく無視されて外に出てきた赤ちゃんと、繰り返し語りかけられていた赤ちゃんとでは反応がまったく違うそうです。

胎児のときに話しかけられていた赤ちゃんのことを、こんなふうに話すお父さんもいると教えていただきました。

「こいつ、わかりやすいんですよ。(抱き方を)ちょっとずらすだけで怒るんだよね、2センチずれただけなのに。それで、直すと、“よし”みたいな顔をするんです」

■胎児への語りかけは効果がある

たとえば、お母さんがくたくたになってしまって、赤ちゃんも泣き止まないようなとき、お父さんが代わりに抱っこしてくれるだけで、お母さんはどんなに助かるでしょうか。

しかし、胎児のときに特に語りかけず、赤ちゃんが生まれていきなりお父さんになったような人を、赤ちゃんがお父さんだと認識してくれるでしょうか?

残念ながら答えはノー。赤ちゃんは泣き続け、困ったお父さんは赤ちゃんをお母さんに返してくるでしょう。

そんなことが続けば、その後の夫婦の関係にも影響を及ぼしかねないことは、想像に難くないと思います。

「産後クライシス」という、この国で子育てをする以上、見過ごせない現象があります。池川先生によると、「子どもとうまくいっていないお母さん、あるいはお父さんは、必ずといっていいほど、パートナーシップもうまくいっていないことが多い」そうです。

けれど、子育て期間は夫婦の関係を見なおすチャンスなのだそうです。

「好き」がもとで一緒になったのですから、特に考える必要のなかったパートナーシップですが、産前および産後はふたりの関係を見なおし、よりよいものに変えていくチャンスの時期ということですね。

「男性は誰でも、奥さんに幸せになってもらいたいと思っているんですよ。女性は気づいていないかもしれませんがね」

あれ? それって、子どものいう「お母さんを幸せにするために生まれてきた」っていうのと似ていますね。ということは、男性は子どもと同じっていうことかもしれませんね。



ただし、この記事を読んで、「胎内記憶を知らないと子育てはうまくいかない」とはとらえないでください。

筆者の上の子どもは胎内記憶のことを聞くと、どちらかというと迷惑そうに「知らない」といいます。下の子はまだ言葉が出はじめたばかりで、胎内記憶についてはしゃべりだす気配もありません。

それを「まぁ、いいか」と思っています。「おもしろいな~、そんなことあるのかな~」くらいに思っていれば、そのうちしゃべりだすかもしれませんしね。

胎内記憶でも、分娩スタイルでも、大事なことは「こだわらない」ことだと池川生生はおっしゃっていました。「こだわると、こじれるんです」とのこと。

淡々と名言を連発する池川先生でした。

(文/石渡紀美)

 

【取材協力】

※池川明・・・1954年、東京生まれ。帝京大学医学部大学院修了。医学博士。上尾中央総合病院産婦人科部長を経て、1989年横浜市に産婦人科の池川クリニックを開設。

2001年9月、全国の保険医で構成する保団連医療研究集会で「胎内記憶」について発表し、話題になるなど、胎内記憶研究の第一人者として知られる。また、出産を通して、豊かな人生を送ることができるよう講演などで全国を廻っている。

 

【参考】

池川明・大門正幸(2015)『人は生まれ変われる。前世と胎内記憶から学ぶ生きる意味』ポプラ社

映画『かみさまとのやくそく』公式サイト

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