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SMAP会見でも証明  衰退傾向もいまだ影響力高い生放送

2016年01月20日 08時40分
提供:ORICON STYLE

 1980年代以降、減少の一途を辿っていると言われるテレビの生放送番組。情報番組やスペシャル番組を除いては、音楽・バラエティの分野では数えるほどとなっている。しかし、今起きている出来事をリアルタイムで伝える生放送の影響力、波及力は衰えてはおらず、18日の『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)では一部生放送でSMAPメンバーが独立・解散騒動に対して初めてコメントし、高視聴率を獲得するなど話題を集めたばかり。過去に『NHK紅白』プロデューサーが「生放送の音楽番組を作れる人材が育ちづらくなっている」と嘆いていたが、このまま生放送番組はなくなってしまうのだろうか? 一方では、「ニコニコ生放送」「ツイキャス」「Ustream」など、ネットの生放送番組は活況だ。

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■ネット番組に移行する生放送番組 要因は作り手側の人材不足

 大晦日と言えば、テレビ局にとっては“勝負の日”だが、昨年、「生放送」に関する大きな変化があったことはご存じだろうか。『年忘れにっぽんの歌』(テレビ東京系)が「生放送」から「事前収録」に変更され、会場も「オリンパスホール八王子」になったのである。48回を迎えた同番組は、新宿コマ劇場(2009年の閉館後、五反田ゆうぽうと)から生中継され、大物演歌歌手が次の『紅白』のNHKホールに移動する…というのが大晦日恒例の風物詩でもあった。しかし五反田ゆうぽうとが閉館したこともあり、NHKホールへと移動可能な会場探しに難航、ついに生放送・生中継を断念したのである。

 また、昨年は大晦日の格闘技中継が復活したが、一部の夕刊紙が「生放送のような顔してディレイ中継(試合の数時間後放送)してるようじゃダメ」といった主旨の批判をしていた。しかし、そもそも全盛期の2000年代ですら、K-1、PRIDEなどの格闘技中継は、“過激シーンが出る可能性がある”“試合の終了時間が読めない”等の事情から、ディレイ中継が常識だった。要するに「(視聴者が勝手に)生だと思ってるので、録画中継は許せないということでしょう」と番組制作会社スタッフは話すが、「そうした批判もされやすいし、面倒くさい上にリスクもある生放送なんて、金もかかるし、いいことないですよ」(同)というように、生放送におけるリスクや録画番組と比較してコストがかかることなど、テレビ局側の苦悩も理解できないではない。

 また、以前とある『紅白』プロデューサーに話を聞いた時、テレビの生放送番組が減少する中で、若手のディレクターが生のショー番組制作を経験できる場も減り、「『紅白』のような大きなステージ演出をできるディレクターが育ちづらくなっている」「作り手側のスキルが途絶えてしまう可能性がある」と嘆いていた。確かに生放送を作れる制作スタッフが減少すると同時に、生放送に対応できるタレントも減ってきている気もする。生放送ならではの“生きた”発言は、視聴者も楽しみにしているもの。『SMAP×SMAP』が注目を集めたのはSMAPが国民的グループというのはもちろんあるが、やはり“生放送”と打って出たのが大きかった。誰もがリアルタイムで“歴史の目撃者”になれるからだ。よく芸人などが「今のはコレ(ハサミでチョキンとする手振り=編集でカットの意)でお願いします」なんてしている場面をよく見るが、ただの甘えにすぎないとも言えるかもしれない。

■テレビからネットに移行 BPOの影響も?

 最近では、BPO(放送倫理・番組向上機構)からの意見・勧告等も無視できないどころか、相当に神経を使わなければならない要素だ。特に暴力・性的シーンなどは一番目をつけられる部分であり、生のバラエティ番組で、その場のノリや成り行きで女性アイドルに触れたり、足蹴にする、などといった行為はすぐに大問題になるし、実際過去にBPOの審議入りをした番組もある。もはやバラエティ番組の生放送は、年に1度の『24時間テレビ』(日本テレビ系)や『27時間テレビ』(フジテレビ系)しかなくなってしまうのだろうか。ヘタをすればそれすらもなくなる可能性があるかもしれない。生放送ならではの“緊張感”や“ハプニング性”は、やはりこのまま絶滅するしかないのだろうか。

 「そんなことないですよ。そもそも優秀なクリエイターは今、テレビからは出てきません。誰もテレビに期待しない、という風潮もありますから。今はニコ生やUstreamで自分のネタなり作品なりを出せば、それなりにお金も稼げる時代。一発屋で消えたと思われている日本エレキテル連合だって、YouTubeでは大活躍してます。規制もテレビに比べればはるかに緩いし、やりたいこともできる。感度のいい人はみんなネットに移行していますね」(コンテンツ制作会社社長)

■生放送番組の需要自体は減っていない 火を消さないためには?

 では、テレビからネットに流れたクリエイターは、テレビ以上に面白いコンテンツを提供できているのだろうか?「ユーチューバ―の中にはアイドル的人気のある若者もいますが、やっていることは学芸会レベルの人も多い。それを理解できない私が古いのかもしれませんが(笑)。ただ、もちろん中にはクオリティの高い人もいます。彼らにとっては、テレビに出ること自体、あまり興味がない。でもネット放送のユーザーは増えてるし、ニコ生やユーストを利用する歌手やタレントたちも増えてます」(前出・制作会社社長)

 つまり、生放送番組の需要が減ってるわけではないのだ。生放送の魅力が緊張感やハプニング性にある以上、リスクがともなうのはやむを得ない。しかしテレビ局側が生放送番組を制作しない限り、出演者たちの現場での対応力や即興性が育まれないのも事実である。ネット放送の興隆はあるにしても、まだまだテレビの力は絶大だ。優秀なクリエイターやタレントたちのポテンシャルを高める場としても、長年築き上げた経験と実績をもとに、今後も果敢に面白い生放送番組を制作・放送していってほしいものである。


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