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及川奈央、探究心から極めたAV業引退から10年「ようやく自分が見つかった」

2014年10月31日 21時30分
提供:クランクイン!

  山形県米沢市の小野川温泉を舞台にしたレトロフューチャーSF映画『ヲ乃ガワ‐WONOGAWA‐』に出演している、女優の及川奈央。2004年のAV業引退から、今年で10年。今では演劇ユニットを立ち上げるなど、舞台女優として第2の人生を歩んでいる。その軌跡を追った。

【関連】及川奈央インタビュー&『ヲ乃ガワ‐WONOGAWA‐』<フォトギャラリー>

 「小学生の頃から転校が多かったせいか、人を冷静に観察するような子供で、『早く大人になりたい』とずっと思っていました。女子同士のグループ付き合いも面倒くさくて、どこか冷めていましたね」と自らの幼少期を振り返る。そんな少女はやがて思春期を迎え、高校を卒業する。その時にふと胸をよぎる思いがあった。「私ってなにもない、空っぽだ」……。

 「自分を変える何かを求めて飛び込んだのがAV業界。『簡単に飛び込めるような世界じゃない』のはわかっていました。でも『自分は一体何者なのか?』という探求心の方が勝った」と当時の心境を明かす。ところが「踏み込んだからには極めたいという気持ちもあった一方で、やはりとても難しい世界でした。仕事をしていく中で、どんどん“及川奈央という別人格”を作るようになっていった。そうでもしなければ出来る仕事ではなかったから」と気持ちと肉体が一致しない年月を重ねることに。当時執筆したエッセイには「及川奈央=旅」と書いた。

 2004年のAV引退後、深夜バラエティで活躍。しかし及川自身は「当時バラエティ番組には沢山出演させていただきましたが、それはすべてセクシー要因。自分で仕事を選べる立場にはないし、前職で知名度が上がったことはわかります。でも葛藤ばかりだった」と知られざる苦悩を一人抱えていた。「一般人に戻ろうか」そう考えていた矢先、テレビ東京系深夜ドラマ『ファンタズマ~呪いの館~』の1エピソードを演出する機会を得る。それが及川の人生観をガラリと変えた。

 「監督業のすべてを学び、作品創りのすべてを経験させていただいて、もの創りの楽しさにハマりました。初めて“楽しい”と感じることができ、達成感がありましたね」という及川のもとに、また運命的な出会いが訪れる。後に今回の映『ヲ乃ガワ‐WONOGAWA‐』を手掛けることになる山口ヒロキ監督による携帯配信用ムービー『葬儀屋月子』への、セクシー要素ゼロでの女優出演。そこから演じる事への渇望が生まれた。

 「『ファンタズマ』も含めて、それがお芝居の世界を探求してみたいと思ったきっかけです。初めて本当の自分を見てもらえた気がした」と自身の岐路と捉える。以降どんな些細な舞台でも役がもらえるならば、二つ返事で出演を快諾し、女優としてのスキルを磨いてきた。そして2011年、舞台女優の久下恵美と演劇ユニット「類類~Lui Lui~」を結成。自らが主宰となって、大好きな作品創りをし、舞台女優として充実した日々を送っている。

 今年は、AV引退後10年という節目。「私はいつでも辞めていい、この業界には未練はないと思ってきましたが、もう少しだけ“及川奈央”としてのネームバリューを借りて、旅を続けていきたい」と前を向く及川は「それは、ようやく自分が見つかったという実感があるから」と噛みしめる。あてのない旅かもしれないが、及川は進むべき道を着実に見つけている。

 映画『ヲ乃ガワ‐WONOGAWA‐』は11月1日より、シアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開。

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