こりゃ読めない! 難解な名字色々
ごくたまにではありますが、名刺交換の際に「へ~、珍しいですな~」と感心させられる名字の人と出会うことがありますよね。そこから推測するに、きっとただ珍しいというだけでなく、読み方すら分からない“難解”な名字の方もいて、挨拶に戸惑った経験のある人も少なくないのでは?
「そうですね、全国を見渡せば難解な名字を持つ方がたくさんいらっしゃいます。例えば『隣』さん。これは『となり』さんではなく、『ちかし』さんと読みます」
そう語るのは名字研究家の高信幸男氏。漢字の意味から連想できなくもないですが、隣と書かれた名刺を見て『ちかし』さんと読める人はそうそういないでしょう。
「似たようなケースでは他にもこんな名字がありますよ。『前』と書いて、『すすめ』さん。こちらも文字と読みの関係性はなんとなくわかりますよね。もっと難しい『井』と書いて、『わかし』さんという方もいます。井戸の水を湧かして飲んでいたことがルーツでしょう。あとは『佐』と書いて、『たすけ』さん。こちらは役職名が名字のルーツとなっており、補佐の補の字が取れて、佐だけが残ったパターンでしょう」
ほう。どれも初めてでは正しく読めるとは思えない、難解なものばかりですね。では一文字ではない名字には、どのような難解なものがありますか?
「例えば『小鳥遊』と書いて、『たかなし』さん。これは鷹がいない場所では、すずめ等の小さな鳥が自由に遊ぶことができるという意味です。トンチが利いているでしょ? では『月見里』と書いて何と読むと思いますか?」
普通に読むと、『つきみさと』さんだと思うのですが…分かりません。
「これは、『つきみさと』さんではなく、『やまなし』さんと読みます。月が良く見える里には山がない、つまり、山がなければ月を見るのに適しているという意味でしょう。また『四月一日』と書いて、『わたぬき』さんというのもあります。こちらは旧暦の4月1日頃に、着物に詰めていた綿を抜いて着たことが関係しています。似たものでは、『八月一日』と書いて、『ほづみ』さん。こちらも旧暦の8月1日頃に稲穂を摘んでいたことが関係していると考えられています」
ちなみに高信氏は、そういった珍しい名字を見つけると、その方に会いに行き、どんな人生を歩んでいらっしゃるのか取材するのだとか。そして、そこで聞ける楽しいお話こそが、珍しい名前を調査することの醍醐味だと語ってくれました。
簡単に真似できることではありませんが、ちょっと珍しい名字の方と出会えたら、勇気を出して人生を尋ねてみるのも面白いかも?
(山葉のぶゆき/effect)
(R25編集部)
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