精神科を受診させる上手な促し方
9月14日10時40分
■気分転換で回復しないなら精神科受診を考えよう
ストレスがたまってつらくなる日が増えてきたとしても、たいていの場合は人に話を聞いてもらったり、おいしいものを食べたり、旅行に行って気分転換をしたりすれば元気が戻るものです。
そんな工夫すらしたくない、したとしても一向によくならない場合には心の病気を疑い、精神科での治療を始めた方がよい場合があります。ほぼ1日中の憂うつ感や無気力、不眠やあせり、自責感などが2週間以上続く場合には、うつ病の可能性があります。人に見られているような感じ、人から非難されている声が聞こえる感じがしたり、思考がまとまらず閉じこもりがちになる場合は、統合失調症の可能性があります。
早めに治療を始めれば、数ヶ月単位の期間で回復できる可能性が高まります。早めに回復することで、以前と変わりない生活に戻れる可能性は高くなるのです。
■症状が重くなるほど、病気と気づきにくい
精神科の受診には、大きな抵抗感をもつ人が多いもの。一つには、まだまだ精神科に対するイメージや薬物治療に対して、偏見をもつ人が多いことが挙げられます。
精神科の病気の場合、一般的に病気が重くなるほど「自分は病気である」という病識が失われることも理由の一つです。周りが心配になるほど落ち込んでいたり、非現実的な思い込みにとらわれたり、奇異な行動が増えてくるときほど、「自分は病気だ」と気づきにくいのです。周りが勧めても本人がなかなか受診を了承せず、症状が悪化してしまうケースが少なくありません。
たとえ病識はなくてもその状態を放置していたら、症状は進んでしまいます。最悪の場合、死にたくなるほどつらくなってしまいます。見守りつつも受診を促していくことが必要になりますが、声のかけ方にはあるコツがあるのです。
■受診はあせらずに、ゆとりを持って
治療が必要な段階なのに受診の機会を先延ばしにしていると、症状は悪化してしまいます。心配な症状が増えてきたら、周りの人が早めに受診するように上手に勧める必要があります。いきなり「あなたは病気なんだから、早く病院へ行かなくちゃ」と言っても、その気にならないばかりか逆に反発してしまうのではないでしょうか。段階的に自分の状況に直面させる、という方法が有効です。「すぐに病院へ」と無理に誘うのではなく、少し猶予を置いて本人に受診への自己決定をさせることです。
受診に抵抗したときには、その意志をまず尊重しましょう。たとえば「まず1ヶ月間、様子をみてみようか。それでも状態が変わらなかったり、悪くなっていくように感じたら、そのときに改めて受診を考えてみない?」と提案してみてはどうでしょう。同時に、「症状に合う薬を飲めば、きっといまより状態はよくなる」「早く治療すれば、早く回復する」というように、受診によっていまより楽になることを啓発しておくことも大切です。
本人はとてもつらいわけですから、症状が長引けば、受診に前向きになっていくはずです。大切なのは、本人に受診への意欲をもたせること。そのためには、あせらずに段階的に受診を考えるためのゆとりを用意することが大切です。
【ストレス:大美賀 直子】
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